ホームオマージュ・ゴッホ二人の椅子壷のひまわり壷のひまわり(2)贈った作品

贈った作品

 ゴッホの性格を考えると、作品を贈ることは好きだったと思います。このページでは、その中でも特に有名な二つの作品について述べます。

Pink peach trees(´Souvvenir de Mauve')


 この絵は、日本名を『花咲く桃の木』といって、1888年3月に描かれたもので、大きさは73×59.5cmで、クレラー・ミュラー美術館にあります。この絵の左下に、(´Souvvenir de Mauve')マウフェの思い出に、と書かれています。Anton Mauvueは、デン・ハーグで、ゴッホと一緒に絵を描きながら、過ごしたことがあります。ゴッホのいとこと結婚していましたが、この時期に亡くなっています。未亡人となったいとこに、贈るために描かれたものです。


 奇麗な空色とピンクの花です。アルルは、比較的暖かいのでしょう。製作が進んでいたみたいです。ただ、この絵を近くで観ると、下絵のラインが見えてきます。私に匹敵する雑さです。変な意味で(○o●;)ました。

『花咲くアーモンドの木の枝』

 この絵は、『花咲くアーモンドの木の枝』といって、ゴッホがテオの息子が生まれたのを祝って贈った絵です。1890年2月に描かれたもので、大きさは73.5×92cmで、ゴッホ美術館にあります。代々ゴッホ家には、赤ん坊が生まれた時に飾られる絵です。とても奇麗な絵で、白い花が印象的です。この時、ゴッホが母に当てた書簡672が残っています。書かれたのは、1890年2月15日です。「このごろもよく考えるのですが、ぼくはテオが息子にぼくの名よりは父の名をつけてくれればよかったのに、と思います。しかしいずれにしてもすんでしまったことなので、ぼくは直ちに彼らの寝室にかける絵をあの子のために描きはじめました。青空を背景にして数本の花をつけた太い枝がある白いアーモンドの絵です。」

 この書簡には、ゴッホの人間性が出ています。自分より、弟の方が優れいることを認めています。でも、本当は嬉しかったのだと思います。感想を聞かせて頂けると有難いです。




次のページでは、アルル時代の代表作のひとつ『夜のカフェテラス』について述べます。

(2003年8月27日作成)

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