「窓辺でリュートを弾く女性」のポイントの一つは、「壁の地図」だと思います。フェルメール作品の中で、地図は五つの作品で出てきます。他は、「絵画鑑賞」・「青衣の女」・「水差しを持つ女」・「兵士と笑う女」の四つです。
この地図は、他の四作品と大きく異なることがあります。それは、他の地図がネーデルランドを描いているのに対して、窓辺でリュートを弾く女性の地図は、ヨーロッパ全土を描いています。
地図学は当時まだ「新しい」学問だったが、その名声はどんどん高まりつつあった(VERMEER・愛の誘惑・35と36ページ)。と、記載されてました。新しいものが、好きなフェルメールも自分の描いた作品が、このヨーロッパを越えて、アメリカにまで渡るとは思ってなかったのではないでしょうか?