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「天秤を持つ女」の一つのポイントは、「窓と鏡」でしょう。この鏡をおぼえてますか?そうです、位置が少し異なりますが、「真珠の首飾りの女」で、女性がお出かけのため、身繕いしている時に見ていた鏡と思います。そして、この絵ではカーテンが閉められていますが、カーテンを開ければ、同じ部屋となると思います。
フェルメールは、カーテンからもれる光が壁に映し出す影を実に巧みに描いています。いつも感心させられることですが、どの作品でも、すばらしいものです。この点は、細工なしに描写していると思います。私は、多分妻・カタリータの部屋でないかと思います。
そして、「青衣の女」を含めた、この三つの作品は同じ部屋が、基盤になり、壁になにもない状態(真珠の首飾りの女)、地図を掛けた状態(青衣の女)、絵画を掛けた状態(天秤を持つ女)といえると思います。まさに、三部作ではないでしょうか?
話は、脱線しますが、三部作といえば、夏目漱石の「三四郎」・「それから」などと、尾道三部作は、「時をかける少女」・「転校生」・「さびしんぼう」です(^-^)。
三部作の最初が「真珠の首飾りの女」、次が「青衣の女」、そして最後が「天秤を持つ女」と考えられます。女性のお腹も、段々大きくなって来ている気がします(⇒三人の女性の比較)。
マウスポインタを写真の上に載せてみてください。
普通に観られます。
「おそらく、フェルメールの作品のなかで、最もほの暗い作品といってよいだろう。」(⇒フェルメール論・洗練の様式・118ページ)カーテンを引くということが、作品に微妙な影響を与えているようです。それにしても、見事な描写です。
(平成14年7月11日作成)
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