密集市街地で生活再建をめざした取り組み
〜富士見市鶴瀬東地区の事例〜

(株)まちづくり研究所 岸岡 のり子


5.今後の課題


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事業開始当初はほとんどの地権者がここで生活再建する希望だったが、現在のところ、 共同建替えで生活再建を図る地権者14名を中心として地区内に住み続ける地権者は24名となっている(表─ 2)。
参加形態ごとに抱えている疑問・関心は違うため、グループ懇談会を行いながらその不安に応えていきたい。 共同化の地権者は、日影の影響をおさえた共同住宅の建て方、閉じこもらない生活、コレクティブ的な生活の展開、 盆栽やお花などの趣味が共用空間で展開できる可能性、管理の問題など、基本設計を行いながら、 将来の生活イメージを具体的に検討している。全体の共通認識を持つために、ワークショップを行った。戸建て再建の地権者は、 周辺に配慮した建て方のルールなど検討する予定としており、建築協定の提案もしていきたい。
初動資金は金融公庫の「都市居住再生融資」を利用する予定にしている。施行者選定は年度内の課題である。
また、周辺の同じような密集地でも共同建替え・協調建替え事業の展開について可能性を探り、第2地区第3地区への事業展開を促進していきたいと考えている。