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はね橋

 今年、ゴッホのはね橋を、2作品観ることができました。

パラソルをさした婦人とはね橋 ラングロアのはね橋


 
田舎の人間て、悲しいものですね!尾道市立美術館に、『パラソルをさした婦人とはね橋』が来た時、『ゴッホのはね橋が来た!』と町中が、喜びました。よく行く、喫茶店でも、すごく話題になってました。私も時間を作って、2回ほど行きました。


 はね橋で有名なのは、『ラングロアのはね橋』の方で、一般に、ゴッゴのはね橋、というとこちらの方を指します。1888年3月に描かれたもので、大きさは54×65cmで、クレラー・ミュラー美術館にあります。多分ゴッホは、運河の堤防に立って、そこから見える風景を描いています。はね橋の上には、馬車が描かれ、渡っています。手前では、洗濯?をしている人でしょうか、忙しそうな人たちが7〜8人描かれています。湖面の描写が見事なのと、葦とかの水辺の雰囲気を捕らえています。この作品を観た時は、優しさが伝わる気がしました。


 一方、題材は同じでも、『パラソルをさした婦人とはね橋』は、少し離れたところから描いています。これは、1888年5月に描かれたもので、大きさは49.5×64cmで、ヴァルラフ=リヒャルツ美術館にあります。橋の上のパラソルを持った婦人は、影として描かれています。二本のポプラ(糸杉ではない)?がアクセントになり、湖面にも、その影があるみたいです。向かって右端の赤い屋根の家に橋守が住んでいたらしいです。この橋を、橋守が『ポン・ド・ラングロワ』と呼んでいたらしいです。尾道市立美術館で、この作品を観た時は、とても嬉しかったです。何かドキドキしますし、感動しました。二本の木の左の雲の描き方が、少し間抜けみたいで、ゴッホらしいです。

 はね橋は、ゴッホが、2月21日にアルルに到着して、最初のころに、題材にしたものです。1888年2月〜1889年5月まで、滞在したあいだに、200点を超える絵画と、100点以上の素描を制作しました。そのきっかけになった一連の作品がこれです。ゴッホは、『ラングロアのはね橋』のことをテオ宛ての手紙の中で、記載しています。一連のはね橋の作品を受け取った後に、その返事としてのテオからゴッホ宛の手紙の中で、テオは、ゴッホの絵の今までの絵とのアルルでの絵の一番の違いを、その明るくなった色彩であることを告げています。アルルで、独特の明るい色彩が開花したのでした。

 皆さんの、『はね橋』を観た感想を教えてくれませんか?連絡待っています。




(2003年8月29日作成)

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