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アカコッコ館の調査研究活動

三宅島の自然環境保全のため、アカコッコ館では様々な調査・研究活動を行っています。
下に主要なプロジェクトの結果を掲載していますので、どうぞご覧下さい。


●カンムリウミスズメ調査
カンムリウミスズメは、日本近海と韓国の島嶼をおもな繁殖地としている海鳥です。絶滅の恐れが高く、世界的に見ても保護上の優先度が高い種ですが、国や自治体等では、カンムリウミスズメを守る取り組みはほとんど行われていないのが現状です。また、繁殖期以外は洋上で暮らすため、バードウォッチャーでも容易には観察できず、多くの人々には名前すら知られていない野鳥です。
 これまで日本野鳥の会では伊豆諸島の三宅島、また各地の支部でもカンムリウミスズメの保護活動に取り組んできました。近年の海洋生態系の急速な悪化と生物多様性の減少が進むなか、アカコッコ館を運営する(公財)日本野鳥の会では創立75周年を機に、海洋環境保全のシンボルとして本種を選び、より一層の保全活動に取り組んでいきます。

・カンムリウミスズメ保護の取り組み


●アカコッコ・プロジェクト(アカコッコ個体数調査)

アカコッコは、伊豆諸島とトカラ列島のみで繁殖する日本固有のツグミの仲間です。国の天然記念物で絶滅危惧TB類にもなっています。ホンドイタチの導入によって個体数は大きく減少し、また2000年の噴火による自然の影響を受け、その置かれている状況には厳しいものがあります。
そこでアカコッコ館では、@2000年噴火後のアカコッコの生息環境を探ることAアカコッコの個体数のモニタリングの2点を目的に、2008年から島内のアカコッコの個体数を推定する調査をボランティアの方たちと一緒に実施しています。また、2012年からは日本野鳥の会の財団事務局と協力して、アカコッコの住みやすい森づくりのための基礎調査も行っています。


●リーフチェック(サンゴ調査)
三宅島の海では暖流である黒潮の影響で、島のいたるところにサンゴの群落が発達しています。中でもカタン崎と富賀浜では大きな群落がまとまって見られます。
リーフチェックはサンゴ礁の健康度をはかる世界基準の調査で、1997年より世界各地で始まりました。三宅島でもカタン崎と富賀浜において、1998年〜2009年の間に6回の調査が行われています。
アカコッコ館では、日本でリーフチェックを推進しているNPOのコーラルネットワークと共催して、2008年からリーフチェックに取り組んでいます。



●大路池の鳥類センサス
アカコッコ館のすぐ裏手にある大路池は約2500年前に噴火した火口湖です。周囲2キロほどの湖で、伊豆諸島最大の淡水湖でもあります。湖の周りは樹齢数百年を超すスダジイやタブノキの原生林に囲まれており、三宅島の中でも屈指のバードウォッチングポイントです。
アカコッコ館ではモニタリング調査の一環として、大路池周辺の森で定期的に鳥類相の調査を1993年の開館以来行っています。

※ 情報の必要な方はアカコッコ館までお問い合わせください。
※2000年9月〜2005年3月までは噴火避難中のためデータがありません。

●生物季節の調査

アカコッコ館では、三宅島とその周辺海上で見られる野鳥、三宅島内で見られる植物の開花状況、長太郎池の魚類について、生物季節の調査を1993年の開館以来行っています。調査結果ではどの種類がどの時期に出現しているか、大まかにとらえることができる内容となっています。

※ 情報の必要な方はアカコッコ館までお問い合わせください。
※2000年9月〜2005年3月までは噴火避難中のためデータがありません。

そのほか

・島内鳥類調査
 伊豆岬、土佐林道、釜方海岸、雄山環状林道などの鳥類の調査を行っています。

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