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■ 再入院中 (2003.11.27 〜 現在)
2003/11/27(木)
9:30入院手続き。4人部屋の窓側。
担当の看護師にフロアを案内してもらった。風呂が無い日が無いのがありがたい。ただし熱があっても入らないといけないらしい。前の病院は休診日には風呂に入れなかった。部屋からの眺めは前の病院のほうが田舎のど真中にあったせいか良かった。体を拭くタオルが自由に使える。談話室(ディルーム)は今回のほうが狭い。
主治医より今後の治療計画について説明があった。
まず3クールのリツキサンを併用したESHAP療法という化学療法を実施し,効果があれば、自家抹消血幹細胞移植を伴う超大量化学療法を適用する。効果判定は、CTスキャンと腫瘍マーカで見る。ここまでが順調にいって約5ケ月。さらに放射線療法を通院で実施するかもしれない。
ESHAP療法で使用する抗がん剤はラステット、シスプラチン、ソルメドロール、キロサイド。5日間連続でカテーテルを使用して点滴するとの事。超大量化学療法で使用する抗がん剤はサイメリン、パラプラチン、エンドキサン。G−CSFで造血幹細胞を促進する。予想される副作用は、造血障害、脱毛、吐き気、下痢、便秘など。
なお、前の病院ではびまん性と診断されたが、ろほう性がくずれたびまん性であろうとのことであった。「体調が良いのでがんが消滅したのではないか?腫瘍マーカのsIL2Rの値が正常値に戻ってないか調べてほしい」と申し入れたが、sIL2Rは厚生省の指導で月に1回しか採れない、とのことであった。(なぜに血液検査に制限があるのか?)またろほう性の特徴として、途中がんが小さくなったり、LDHがそれほど上がらないなどの特徴があるので、その現象が出ているのではないかとのこと。奇跡的に自然治癒していることを期待していたが、証明する道は絶たれ
た。残念。
本日の血液検査の結果は以下の通り。
白血球数(3000〜9000):4,980
赤血球数(500万):440万
ヘモグロビン(14〜18):13.3
血小板(15万〜30万):32.2万
顆粒球(1,750〜5,350):4,010
前の病院では聞かないと数値を教えてくれなかったが、こちらは毎回値を記入した
紙をくれるのでありがたい。
2003.11.28(金)
朝、細菌検査があった。これは今後無菌室に入る上で体内に院内感染の菌などが存在しないか検査するものである。大きな綿棒を咽頭、鼻孔、肛門に差しこんでこすりとられた。10:00からリツキサンの点滴。リツキサンはねずみで培養した蛋白のため、初回は熱が出たりなどの副作用が出ることがあるらしい。最初解熱鎮痛剤を飲み、その後リツキサンを点滴したが、最初は1時間に25CCのペース、その後1時間に100CCのペース、最後に1時間に200CCのペース。幸い熱はほとんど出なかった。
2003.11.29(土)
本日より抗がん剤の点滴に入る。その前に吐き気予防の薬と副腎皮質ホルモンのソルメドロールの混合液を点滴。次に抗がん剤のラステットを点滴。さらに抗がん剤のシスプラチン(ブリプラチン)を点滴。これを4日間繰り返す。5日目はキロサイドを大量点滴する。
入院日の昼食から病院食を食べているが、これまで食事療法ということで避けてきた肉類や揚げ物などが出てくる。食事療法を徹底していた頃であれば、肉類を見た時点で体に良くないものが出てきたということでイヤな印象を持ったと思う。ところが、徹底した食事療法にもかかわらず再発したこと、心の問題が一番影響が大きいことを自覚したことから、今回は「ありがたい食事が食べられ感謝します。これらの食物は我々の血となり肉となり我々の肉体を調整し健康をもたらしてくれます。ありがとうございます。」と感謝して本当に体に良いものをいただいているというイメージで食べることにした。
これはひとつには体に良いと信じること自体が体に良い影響をもたらすことが医学的な実験で実証されていること。またあわれ人間の食物として命を奪われた動物達が、食べて人間の役に立ってこそ浮かばれようもあるが、食べないで捨てられてしまっては何のために命を奪われたのか、それだったら生かしておいてほしいと思うであろうからである。禅宗でも自分をもてなすためにわざわざ動物の命を奪った料理は食べないが、全員に同じように調理されて出されたものに肉類が含まれていた場合には、ありがたくいただく、という話を聞いたことがある。その根本の思想は定かではないが、すでに命を奪われてしまった動物への供養の意味があるのではないだろうか?
2003.11.30(日)
前日と同じ抗がん剤の点滴が続く。今日までは腕の血管から点滴しているが、明日から胸にカテーテルを差しこんでそこから点滴するらしい。
2003.12.1(月)
カテーテルを右胸に挿入。局部麻酔して挿入後、3ケ所糸で縫いつけた。縫い目と挿入個所から夜まで血が染み出ている。寝る姿勢によって縫い目が引きつれるためか良く寝られなかった。
2003.12.2(火)
午後からボランティアによる音楽会があったが、行った時にはもう終わっていた。その後14:00からソーシャルワーカと今後の医療費についての相談をした。高額医療費貸付制度や自家抹消血幹細胞移植に要する大体の費用がわかり大変参考になった。自己負担だけでも100万以上一時的に負担が必要のようなので、高額医療費貸付制度を利用することになりそうだ。
15:00から無菌室病棟の見学をさせてもらった。中はきれいだったが病棟から出られないのと、面会の制約が大きいのが難点。一番下の子は小学生なので面会できない。それ以外の家族も1時間以内でかつ1回に面会人は1人のみ。これでもかなり制約が緩和されたとの事。治療のためには致し方ない。ESHAP療法1クールごとに退院となり1週間程度は自宅で過ごせるようなので、それがせめてもの救い。
2003.12.3(水)
夜中に500CCぐらい4〜5回の大量のおしっこが出た。そのおかげであまり眠れなかったが、小便が多く出ることは良いことらしい。抗がん剤のキロサイトを点滴。目が結膜炎のようになる場合があるとのことで、予防的に目薬を2日間点眼する。キロサイトは吐き気が副作用として出るとの事だったが幸い食欲減退程度で済んでいる。
2003.12.4(木)
毎日、運動のため病棟内を点滴の台を引きずりながら何周も回っていると色々な人が声をかけてくる。少しの会話でもお互いにストレス解消になる。
毎日、自分に降りかかるいろいろな出来事に対して、思いやりや寛容をもって接するように心がけ、一日の終わりにはそのように振舞えたかを確認している。毎日病棟内に閉じ込められていると圧迫感や閉塞感にやりきれなくなることもしばしばあるが、そのようなときは姿勢を正し、顔を面持ち上方に向け、心に神を思うことで、心がなごみ浄化される。宇宙の生命エネルギーをとり込むイメージでゆっくり息を吸いこむと体に清いものが流れ込むような感じがする。想念、生活から欲や我を取り去り、思いやり、寛容、愛情、奉仕に満ちた日々を送ること。また、心配、恐怖、煩い、怒り、悲しみなどのネガティブな想念を持たないように感情を制御し、心の静寂を保つこと。これが自分の課題である。これが自然に意識せずに毎日の生活に完全に取り込めたならば病気も無縁となり、人生も恵み多きものとなろう。
2003.12.5(金)
ようやく11/29以来の点滴がはずれた。また明日から1拍の外泊許可が出た。来週、再来週は白血球値が下がるであろうから外泊は無理であろう。また来週月曜から無菌病棟に移るとのこと。本日血液検査があった。まだ白血球数は下がっていない。
白血球数(3000〜9000):4,660
赤血球数(500万):463万
ヘモグロビン(14〜18):14.3
血小板(15万〜30万):26.1万
顆粒球(1,750〜5,350):4,370
本日より、細菌を殺す抗菌剤シプロキサンとカビの発育を妨げる抗真菌剤ジフルカンを服用。白血球の低下を見越しての予防措置らしい。
2003.12.6(土)
外泊許可により自宅に帰れた。やはり自宅はリラックスでき、食事も家族と一緒で楽しい。病院に長くいると気が滅入ってきて免疫活性の面でもよろしくない。入院患者全体で雰囲気を少しでも明るくすることが重要。朝の挨拶や笑顔だけでも絶やさないように、できればなるべく話し掛けて、冗談でも言って笑えればベスト。
2003.12.8(月)
無菌病棟に移動した。4人部屋の窓側。日差しが入る。
本日の血液検査の結果は以下の通り。白血球値が前回4,000以上あったのが一気に下がった。
白血球数(3000〜9000):1,860
赤血球数(500万):458万
ヘモグロビン(14〜18):13.7
血小板(15万〜30万):21.2万
顆粒球(1,750〜5,350):1,640
2003.12.9(火)
感情を制御し心を平穏に保ち、ネガティブな想念を持たないようにすることはなかなか大変なことである。最近、新聞やテレビをめっきり見なくなったが、マスコミが取り上げるのは、悲惨な事件、政争、紛争、訴訟などの争いごとや、グルメ、豪邸・富豪、ファッションなど人間の欲に関するものが多く、心の静寂を乱すものが大半である。またそこから得られるものは更なる心配・不安と更なる欲望である。病院ではすることがないのでテレビを1日中見ている人も多く、自分も前回の入院ではテレビを見ている時間が多かった。
病は不調和に対する警告である。心を平穏に保ち、想念、生活、行為、言葉を正しく良いものにし、不調和を解消していかねばならない。
あらゆる欲望や我を取り去れば、あとは如何に正しく、よりよく生きるべきかの真理のみが関心の的となる。
真理は外にあるのではなく心の内にあると多くの宗教書や霊言などに書かれている。波立った水面には像が映らないように、感情を制御し心を平穏に保たねば、心の奥の真理が見えてこない。毎日の心配、患い、悩み、恐怖、欲望、見栄などで心を始終波立たせている限りは真理に到達できないとのことである。
2003.12.10(水)
本日の血液検査の結果。
白血球数(3000〜9000):920
赤血球数(500万):429万
ヘモグロビン(14〜18):12.8
血小板(15万〜30万):14.1万
顆粒球(1,750〜5,350):690
2003.12.11(木)
心を平穏に保ち常に神に意識を向ける姿勢が重要。なぜならば、人間は自分の五感の刺激を受け認識しそれを記憶するとともに、そこから出る感情や想念は放射され伝搬する。これは他の同じような波長を持つ人に感応する。逆に言えば他人からの想念や感情も波長が合えば自分に影響することになる。それら以外に、神から出るバイブレーションも存在するが、人の心が低レベルにとどまり、五感や他人の想念に影響されて波立っている限りは、その精妙な神のバイブレーションがかき消されて感応しない。従って心を平穏に保つことにより、その精妙な神のバイブレーションが感応できるようになる。
自分の感情や欲や我については努力により次第に制御できるようになろうが、他人からの言葉や行為、悪意から心を動揺させないようにするのはなかなか難しい。一つの方法としては、イヤなことをされたり言われたりしても、この人はまだそのことに関しては学び終わって成長しておらず未熟なためにそのような言動、行為に及んでいると受け止める。悪意ではなく未熟ととらえればあまり腹も立たないのではないだろうか。例えば、未熟な赤ちゃんが投げたものが当たっても親は赤ちゃんを責めたりはしないであろう。赤ちゃんがそれを投げて人にあてるとどうなるかを学んでいないので、普通は責めたりはしない。
また自分も以前はその人と同じ事を他人にしていた時期があったかも知れない。学ぶ時期、順番が違っていただけかも知れない。そう考えれば、逆に自分が同じ事をしていたときに、それをされた人はこんな思いをしたであろうと、逆に自分が反省し謙虚にならねばならないのかもしれないし、そのことを自分が学ぶための機会が今なのかも知れないのだ。
2003.12.12(金)
本日の血液検査の結果。
白血球数(3000〜9000):920
赤血球数(500万):411万
ヘモグロビン(14〜18):12.3
血小板(15万〜30万):9.2万
顆粒球(1,750〜5,350):550
2003.12.15(月)
本日の血液検査の結果。
白血球数(3000〜9000):810
赤血球数(500万):402万
ヘモグロビン(14〜18):12.0
血小板(15万〜30万):12.8万
顆粒球(1,750〜5,350):390
顆粒球が500を切ったので生もの禁止となった。
夜、窓にサンタやトナカイや雪の結晶をかたどった型紙を談話室の窓に当てて白い特殊なスプレーを吹きつけて窓を飾った。クリスマスらしい雰囲気になった。
2003.12.17(水)
今日は、以前入院していた人が病棟に演奏会に来てくれた。毎年来てくれているらしい。 木管楽器とピアノによるクリスマスソングを中心とした演奏。退院すると一刻も早く病気のことは忘れたくなるのが人の常であるが、毎年続けておられるのには頭が下がる。無菌病棟は病棟外にでられないので、どうしても気が滅入りがちになるので、こうしたイベントは気晴らしになる。終わってからホットプレートで皆でパンケーキを焼いて食べた。5枚も食べてしまった。デザート類はここしばらく食べていなかったので沢山食べてしまったのかも。
2003.12.18(木)
本日の血液検査の結果。
白血球数(3000〜9000):940
赤血球数(500万):392万
ヘモグロビン(14〜18):11.9
血小板(15万〜30万):22.6万
顆粒球(1,750〜5,350):320
夕方、サンタさんが各病室をまわりクリスマスカードを届けてくれた。
その後、談話室でコーラスとバイオリンと電子オルガンで音楽会をしてくれた。ありがたいことだ。
2003.12.19(金)
昨日と今日とで自宅では引越しをしている。少し狭くなるが会社には近くなる。小中学生の子供は何度も転校ばかりですまないが、より良い友達と先生にめぐり会えるようお祈りしている。
インターネットに接続できないようだ。生活の中でインターネットやメールを活用する場面が非常に多いので使えないとかなり不便。
2003.12.21(日)
キロサイトによるものと思われる発疹が腕と首に出ていたが収まった。またここ数日便が硬く、持病の痔付近が排便の際に痛かったのも、酸化マグネシウムのせいか便がやわらかめになり段々痛みも収まってきた。
2003.12.22(月)
本日の血液検査の結果。
白血球数(3000〜9000):950
赤血球数(500万):407万
ヘモグロビン(14〜18):12.2
血小板(15万〜30万):38.8万
顆粒球(1,750〜5,350):350
顆粒球が上がってくれば一時退院できると思われるが上がりが鈍い。他の値が上がっているので次回はさらに上がるものと思われる。なお腫瘍マーカの可溶性インターロイキン2受容体(sIL2R)の値は1ケ月前に計測した時は約3100で大きく基準値からはずれていたが、本日の値は392で正常値とのこと。
2003.12.23(火)
心に心配や恐怖、悩み、落胆、悲しみを持たないよう努力しているが、なかなか難しいことである。発疹が出てくれば何の発疹か気になるし、同室の患者や同じ病気の患者の容態が良くないと不安にかられる。心から追い出そうとして一時的に考えないようにできても、いつの間にか考えていたりする。何事があっても心を平穏に保つというのは、神の愛への絶対の信頼と相当な心の訓練を積まないと難しい。少しずつ鍛えていくしかない。なお、自分の心の動きを第三者的に観察し、より良い状態に持っていこうとするのは良いことだと思う。いつかは感情の制御ができ心の平穏を保つことができるものと信じる。
2003.12.24(水)
本日の血液検査の結果。
白血球数(3000〜9000):1360
赤血球数(500万):411万
ヘモグロビン(14〜18):12.4
血小板(15万〜30万):41.2万
顆粒球(1,750〜5,350):590
顆粒球、白血球とも上がったので本日退院の許可がでた。1/5に再入院の見込み。カテーテルを詰まらせない、ヘパリンを自動的に注入する装置(シリンジポンプ)を取り付けて退院した。
2003.12.30(火)
本日はシリンジポンプ内のヘパリンを補充するために病院へ行った。すでに冬期休暇に入っているのか、外来受付は閉まっていた。入院患者のためか、売店やATMなどは開いていた。
2004.1.4(日)
数日前にシリンジポンプの電池切れでアラームが鳴ったが、本日は薬液(ヘパリン)が空になったためアラームが鳴った。明日の入院まで持つように計算して補充したはずが、明日まで持たなかった。病院に出向いて注射でヘパリンを注入し、シリンジポンプをはずしてもらった。おかげで入浴や睡眠が楽になる。
2004.1.5(月)
本日一時退院から戻り再入院。無菌病棟の元と同じ4人部屋。
本日の血液検査の結果は以下の通り。
白血球数(3000〜9000):3,460
赤血球数(500万):430万
ヘモグロビン(14〜18):12.9
血小板(15万〜30万):23.4万
顆粒球(1,750〜5,350):2,890
白血球、顆粒球とも基準値まで回復している。
本日から2クール目のE−SHAP療法とリツキサンの併用療法に入る。早速リツキサンの点滴が始まった。前回副作用として予想されていた熱も出なかったが今回も出ずにすんだ。
2004.1.6(火)
胸腹部のCTスキャンあり。前の病院では造影剤を注射して体が温まる際に吐き気がしたが今回は吐き気は無かった。本日よりE−SHAPの抗がん剤点滴が始まった。
パラマハンサ・ヨガナンダの講話集である「人間の永遠の探求」を読み始めた。本日より朝夕、瞑想をすることにした。
2004.1.7(水)
昨日いきなり1時間瞑想したためか少し頭痛がする。朝は20分瞑想。夕方に20分、夜にも約40分瞑想。
2004.1.9(金)
昨晩から今朝にかけて家内が具合が悪かったようだが、生長の家の神想観のテープを聞いているうちにすっかり良くなったとかで、いつも通り見舞いに来てくれた。
本日の血液検査の結果は以下の通り。
白血球数(3000〜9000):12,280
赤血球数(500万):382万
ヘモグロビン(14〜18):11.6
血小板(15万〜30万):19.1万
顆粒球(1,750〜5,350):11,480
ソルメドロールのせいか白血球、顆粒球とも急増している。
2004.1.10(土)
本日でラステッド、ブリプラチン、ソルメドロールの点滴は終わり、キロサイトの点滴に入る。
2004.1.11(日)
先日、自家抹梢血幹細胞移植のビデオを見た。予定では1/26に自家抹梢血の採取の予定。
2004.1.13(火)
本日の血液検査の結果は以下の通り。
白血球数(3000〜9000):3,650
赤血球数(500万):410万
ヘモグロビン(14〜18):12.5
血小板(15万〜30万):18.7万
顆粒球(1,750〜5,350):3,260
一日中、体がだるい。口の中がまずい。食欲が落ちた。
前回のキロサイトの点滴では発疹が出たが、今回は出ないで済んだ。
2004.1.14(水)
ミニ移植をする予定の人が、ミニ移植について疑問や不安に思いながら詳細がわからずモヤモヤしていたのを細かく教えてあげたらたいそう喜んでくれた。
2004.1.16(金)
本日の血液検査の結果は以下の通り。
白血球数(3000〜9000):2,370
赤血球数(500万):391万
ヘモグロビン(14〜18):12.1
血小板(15万〜30万):13.7万
顆粒球(1,750〜5,350):2,040
2004.1.18(日)
昨日の夕方、隣に寝ている人が38度以上の熱が出た。自分も37.4度であった。
また隣の人は前からカゼ気味で看護師さんにカゼ薬を要求していたが何の対応もなかった。
さらに、隣の人の奥さんがカゼでしばらく見舞いに来られなかったが先週、マスクをして見舞いに来られた。まだ完全に直っていないようだったので、無菌病棟で免疫力が下がっている人が多いのにもう少し気遣いが欲しいものだな、とも思った。免疫力が下がっているときに、自分にカゼや高熱が移ったらイヤだなと思った。
本来我々は神の子であり霊は完全でその写しとしての肉体も完全である、病は無いと考えながら寝たが、夜中どうも調子がわるい。
明け方にふと、ホワイトイーグルの本に「神と隣人・同朋を愛せよ。隣人・同朋を自分と同じように愛しなさい。隣人・同朋が愛せない人に神が愛せますか」と書いてあったのを思い出した。我や欲を捨てて生きるハズが、隣の人が熱で苦しんでいるのに、自分に移らないことばかり考えていた。これこそ我である。
本来病なしであるからには、病気のことなどは気にしないで、隣で苦しんでいる人に何かしてあげられないか考えるのが、本来進むべき道であるとハッと気がついた。
よくよく心していないと、今まで数十年間慣れ親しんだ我と欲にまみれた考え方に知らず知らずのうちに傾いてしまう。
まったくそういったものに動じない自分を早く確立したいものだ。
2004.1.19(月)
本日の血液検査の結果は以下の通り。
白血球数(3000〜9000):1400
赤血球数(500万):364万
ヘモグロビン(14〜18):10.9
血小板(15万〜30万):9.4万
顆粒球(1,750〜5,350):950
2004.1.21(水)
本日の血液検査の結果は以下の通り。
白血球数(3000〜9000):1050
赤血球数(500万):377万
ヘモグロビン(14〜18):11.6
血小板(15万〜30万):16.5万
顆粒球(1,750〜5,350):590
先日、持ち込んだノートパソコンでメールやインターネットをPHS通信カードで行っていたら、医療機器への影響が懸念されるとのことで、病院の正式見解がでるまで使用を見合わせて欲しいとのことであった。他にも1名PHS通信カードで通信している患者がいた。
この病院では看護師間の連絡をPHSで行っているため、PHS通信カードも同じ電波強度であろうから使っても問題ないだろうと考えて使っていた。病院の見解としては、使用しているPHS通信カードの医療機器への影響については検査しておらず、万が一のことが起きては大変なので使用禁止とする、とのこと。
なお無菌病棟の談話室にはテレビカードを使って電話回線でプロバイダに接続できる環境はあることはあるが、市内のアクセスポイントに接続しても1分10円から30円ずつテレビカードから引き落とされる上、19.2Kbpsか28.8Kbpsしか出ないので、使っている時間のお金を取られているというより、待たされている時間のお金をどんどん取られている感じがする。また同時に1人しか使えない、プロバイダから別途ダイヤルアップ接続の料金も別に取られる、ということで良い事なしである。これは医療費でもないので全額自己負担である。
とてもじゃないけどメールはともかくとしてインターネットでネットサーフィンなどできた
ものではない。
ADSL環境の導入の提案として、少額の投資で複数の患者が同時に高速で快適なネットサーフィンを好きなだけできるようになる、無菌病棟のような病棟外に出られない閉塞な場所で患者が外部と情報の交流ができることは患者にとって非常にメリットが大きいことを強調して、病院長宛に提出した。
どんな反応が今後あるか楽しみではあるが、我々でなくても今後入院してくる患者さんがメリットを享受できれば良いと思う。どうやら現在のテレビカード方式のものも導入まで1年ぐらいかかったそうである。今回も相当時間がかかるであろう。
2004.1.23(金)
本日の血液検査の結果は以下の通り。
白血球数(3000〜9000):1300
赤血球数(500万):361万
ヘモグロビン(14〜18):10.9
血小板(15万〜30万):27.5万
顆粒球(1,750〜5,350):660
本日よりG−CSFの注射を開始。この注射により血中に造血幹細胞がたくさん出てくるので、自家抹梢血の採取の前処置として有効。
2004.1.24(土)
G−CSFの注射の2回目。腰骨が痛くてたまらない。とても睡眠できるものではない。夜の11時半に鎮痛剤カロナールを飲んだら痛みが和らぎ、少し寝られるようになった。
2004.1.25(日)
G−CSFの注射の3回目。一度痛くなった箇所は痛くならないらしく、今日は肋骨が少し痛む程度。痛みは骨の太さに比例する感じ。結局鎮痛剤を使用せずに済んだ。
2004.1.26(月)
G−CSFの注射の4回目。
本日の血液検査の結果は以下の通り。
白血球数(3000〜9000):21,970
赤血球数(500万):361万
ヘモグロビン(14〜18):10.5
血小板(15万〜30万):45.4万
顆粒球(1,750〜5,350):18,130
G−CSFにより数値が大幅に上がっている。本日自家抹梢血を採取することが正式に決まった。
午後からカテーテルを自家抹梢血採取用の二股の太いものに取り替えた。今までのカテーテルにワイヤーを通して、今までのカテーテルを抜き、太い二股のカテーテルを挿入して、ワイヤーを抜いたようだ。
太いカテーテルを入れるのに力を入れて押し込まないといけないので、その際に少し痛みを感じた。
専用の機械で血液を循環させて造血幹細胞を3時間近くかけて200CC程度採取した。採取後の造血幹細胞の密度を調べたところ密度が高く、必要な造血幹細胞が取れたということで採取は本日のみで済んだ。通常は2日間かかるそうである。採れない人は3日間の場合もあるそうだ。
これにより明日一時退院できることが急遽決まった。
2004.1.27(火)
本日午後にカテーテルを現在の採取用の太いものから移植用の細いものに取り替えて夕方一時退院した。次回再入院は2月2日(月)の予定。
2004.2.2(月)
本日病院に戻った。無菌病棟の元と同じ4人部屋。
本日の血液検査の結果は以下の通り。
白血球数(3000〜9000):2,690
赤血球数(500万):361万
ヘモグロビン(14〜18):10.3
血小板(15万〜30万):22.9万
顆粒球(1,750〜5,350):1,780
前回入院時よりデータがいずれも少し下がっている。
本日から3クール目のE−SHAP療法とリツキサンの併用療法に入る。早速リツキサンの点滴が始まった。
2004.2.3(火)
E−SHAPの抗がん剤の点滴の1日目。
今日節分なので、夕食に豆がでた。向かいの人は固いものがたべられないので豆の代わりに卵ボーロがでた。
2004.2.4(水)
E−SHAPの抗がん剤の点滴の2日目。
副作用で不妊の後遺症が出そうな場合、医師は若い人には精子バンクに登録するのかどうか聞いたりするのだろうか?
という話を病室の人たちとしていた。
若い患者に聞くと、骨髄移植前の全身放射線治療では不妊の後遺症がでるとかで、精子バンクというものがあるという話はあったそうだ。
どういう基準でどこまでの人にそういう話をしているのかわからないが、子持ちの中年3人にはいずれもそのような話はなかった。
もう子供がいるから話をしなくて良いだろうと勝手に判断しているとすれば問題ではなかろうか?
2004.2.5(木)
E−SHAPの抗がん剤の点滴の3日目。E−SHAPの点滴では毎回、腸の動きが悪くなり便の出がスムーズでないので、今回ラキソベロンという腸の動きを改善する下剤を処方してもらった。
2004.2.6(木)
E−SHAPの抗がん剤の点滴の4日目、最終日。口の中がまずく食欲が落ちている。
2004.2.7(金)
キロサイトの点滴の日。
2004.2.9(月)
本日の血液検査の結果は以下の通り。
白血球数(3000〜9000):1,580
赤血球数(500万):335万
ヘモグロビン(14〜18):10.1
血小板(15万〜30万):37.9万
顆粒球(1,750〜5,350):1,250
2004.2.12(木)
本日の血液検査の結果は以下の通り。
白血球数(3000〜9000):1,430
赤血球数(500万):304万
ヘモグロビン(14〜18):9.3
血小板(15万〜30万):27.0万
顆粒球(1,750〜5,350):1,260
2004.2.16(月)
本日の血液検査の結果は以下の通り。
白血球数(3000〜9000):880
赤血球数(500万):261万
ヘモグロビン(14〜18):8.1
血小板(15万〜30万):14.0万
顆粒球(1,750〜5,350):560
ヘモグロビンが8を下回ると輸血するとのこと。
2004.2.18(水)
本日の血液検査の結果は以下の通り。
白血球数(3000〜9000):940
赤血球数(500万):271万
ヘモグロビン(14〜18):8.1
血小板(15万〜30万):16.2万
顆粒球(1,750〜5,350):650
白血球数、顆粒球ともわずかだが上昇している。ヘモグロビンは横ばい。
2004.2.19(木)
病室のベランダの手すりに白鷺が止まっていた。
1mぐらいの至近距離でカーテン越しによく見えた。
この病棟では楽しみが少ないので、双眼鏡と鳥の図鑑を持ち込んで、窓から見える木々に鳥が来ると双眼鏡で観察している。よく来る鳥はシジュウカラ、オナガ、スズメ、カラスである。時々メジロ、ツグミ、ハトが来る。白鷺は今日初めて見た。
他の患者も私のやっているのをみて面白そうだと思ったのか、双眼鏡を購入した人もいる。鳥の図鑑を貸してあげたところ喜ばれた。
2004.2.20(金)
本日の血液検査の結果は以下の通り。
白血球数(3000〜9000):800
赤血球数(500万):281万
ヘモグロビン(14〜18):8.9
血小板(15万〜30万):23.0万
顆粒球(1,750〜5,350):520
白血球数、顆粒球ともわずかに下降した。
ヘモグロビンの回復により、輸血はしなくて良いことになった。また今回は脱毛もほとんど無い。約3ケ月にわたる3回の化学療法が終わって髪の毛がかなり残っているのはめずらしいとのこと。また3回の治療を通じて38度以上の高熱も出ず、ひどいかぶれや炎症にも悩まされずに済み、ありがたい。また入院1ケ月で腫瘍マーカsIL2Rが基準値の10倍から基準値に戻ったことも主治医によれば劇的な下がり方とのこと。抹梢血の採取が1回で済んだこともかなりめずらしいことだそうだ。
これもひとえに、神の限りなき慈愛を感じ、自分が神の子であり神と一体であることを常に自覚し、完全なる霊、そしてその反映としての完全なる心、完全なる肉体を観じてきたことによるものと信じている。
これが真理であるならば(私は真理と確信しているが)、病気を患っている人々すべてが一日も早くこの真理に目覚めることを願ってやまない。
2004.2.21(土)
2回ほどめまいを感じた。赤血球やヘモグロビンの値が低いためかもしれない。
2004.2.22(日)
ここ2日ばかり、日の出が非常に美しい。低い位置にうっすら雲がかかっているせいか、日の出の太陽が真っ赤なまんまるに見える。それが次第に黄色を帯びてきてだんだんまぶしくなってくるが、その色合いの変化もまた美しい。
この無菌病棟では病棟から一歩も出られないので、気分転換が難しい。木々の四季の変化はゆっくりすぎて目に慣れてしまい、気分転換にあまりならない。
このような日の出を拝んだり、たまに飛んでくる鳥を観察するなど、自ら努めて気分転換の材料を見出さないと、だんだん気が滅入ってしまうので要注意である。もったいないことだが病院食も決しておいしいとは言えず、その上治療で自分の舌の味覚もおかしくなったり食欲も減退したりするので、食事が必ずしも楽しみとはならない。口の中の炎症がひどくて口を開けたり噛んだりするのが痛いときは、食事をしなくて済ませられればどんなに楽かと思うことすらある。
患者同士のおしゃべりも共通の趣味の話題であれば良いが、趣味が共通なことはめったになく、共通の話題はどうしても病気になってしまうので暗くなる。
私のように家族が毎日見舞いに来てくれる場合は、その1時間だけでも病気以外の話題で気分転換もできるが、見舞いの少ない患者はそれもないので気の毒である。
長期間の入院生活の間、気持ちをプラスに維持することはなかなか困難であるが、病気克服のためには大事なことである。
2004.2.23(月)
本日の血液検査の結果は以下の通り。
白血球数(3000〜9000):910
赤血球数(500万):290万
ヘモグロビン(14〜18):9.1
血小板(15万〜30万):34.7万
顆粒球(1,750〜5,350):440
顆粒球が下がってしまった。
2004.2.25(水)
本日の血液検査の結果は以下の通り。
白血球数(3000〜9000):1020
赤血球数(500万):285万
ヘモグロビン(14〜18):9.4
血小板(15万〜30万):38.3万
顆粒球(1,750〜5,350):280
白血球は上がっているのに顆粒球が下がってしまった。
最近読み始めた本「神癒の原理」(マクドナルド・ベイン著 出帆新社)に
「もしも貴下が、神と一体であることを悟って調和の状態に自分自身をおくならば、治癒はおのずからにして成就する。・・・神が創造り給うた完全なる似姿を貴下の意識の中に固持すれば、形態はそれに従って変わるのである。・・・変化は内で始まり外に移る。あらゆる不調和と制限とが意識より取り除かれると完全なるものがおのずと現れ出る。それが貴下の自然な状態なのである。」
とある。
これはこのホームページの「生き方を考える」の中の『9.2003.11.15 「肉体の自然治癒力と霊的治癒力」』で、
『「肉体が主ではなく、魂(霊)や精神が肉体を支配している、また自分は神の一部であり完全なる霊的存在である、完全なる霊であるがゆえに本来その従僕である肉体もそれを反映して完全である」という真理を悟ることにより、病気も自然に治り健康も維持される』
と書いていることと同じことである。
シルバーバーチ、ホワイトイーグル、エドガー・ケイシー、マクドナルド・ベインらは同じことを言っている。
私はこれを真理だと判断して毎日実践しているつもりだ。徐々に効果は現れていると感じる。他の病気の方も実践されることを願ってやまない。常に気持ちを持続させることはなかなか難しいとはいえ、単に気持ちの持ち方を切り替えるだけと考えれば、今すぐにもできることだし、費用がかかることでも何でもない。
2004.2.26(木)
先日、病棟の談話室に置いてある電子ピアノを弾いている人がいたが、適当な楽譜が無いようだったので、家内が家にあって使っていない楽譜を持参し、病棟に寄付したところ病棟と患者の両方から喜ばれた。
実はこの電子ピアノも患者の家族からの寄付だそうである。
また、このホームページの「元気がでる本」に紹介している「ただマイヨ・ジョーヌのためでなく」(ランス・アームストロング著 講談社)と「ナンシー関の記憶スケッチアカデミー」(ナンシー関著 角川文庫)を、本の好きそうな患者さんに貸してあげた。前者はガンを克服してツールド・フランスという過酷な自転車レースで優勝した自転車レーサーの実話だが、著者は「癌は僕の人生に起こった最良のことだ」と言い切っている。私も、我や欲を中心とした物質的・肉体的なものから、神と一体の完全なる霊を中心とした心の持ち方に切り替えることにより、病を克服するだけでなく、恵み多き豊かで幸福な人生を今後歩むことができれば、ガンはそのきっかけとなった最良のことと将来言い切れるかも知れない。一人でも多くの人に実践者としてその真理を語れる日が来ることを願ってやまない。
2004.2.26(木)
談話室の窓に、梅をかたどった紅白のシールで飾り付けがされた。
12月のクリスマスのときはサンタやトナカイなどの白いスプレーで飾り付けがされたが、季節ごとに異なる飾り付けをして少しでも気分転換をしてもらおうとの暖かい配慮によるものだ。
2004.2.27(金)
本日の血液検査の結果は以下の通り。
白血球数(3000〜9000):970
赤血球数(500万):312万
ヘモグロビン(14〜18):9.8
血小板(15万〜30万):41.2万
顆粒球(1,750〜5,350):270
以前鎌倉に住んでいたときに家族ぐるみでおつきあいさせていただいていた家族から、由比ガ浜海岸で拾ったさくら貝をたくさん瓶詰めにして送っていただいた。以前同じ家族からお守りを贈っていただいた。さくら貝は江ノ島でもみやげに売っているくらいで人気が高く拾う人も多いため、早朝で無いと見つからないらしい。かなりの数が入っていたので集めるのは結構大変だったのではないかと思われる。鎌倉由比浜は、石川増穂浦、紀伊和歌浦と並ぶ日本小貝三名所と呼ばれている。さくら貝、べに貝は古くから歌に詠まれるので歌仙貝とも呼ばれているらしい。
今日、家内からおでんの差し入れがあった。病院食は感謝しながら食べてはいるものの、コストや栄養価の制約がきついのか、おいしさはあまり追求されているとは言い難い。やはり家庭の味は食の進み具合が違う。
2004.2.28(土)
最近は人の迷惑を顧みない行為で迷惑を受けることがあっても、以前ほど腹を立てないでいられるようになってきたが、まともに自分に向けられる不平、不満、批判、非難に対しては、それに動じないでプラスな気持ちを維持して対応できるまでにはまだまだ至っていない。
不平、不満、批判、非難に対してマイナスの想念・言葉・行為で対応しないようにすると、抑圧された気持ちのやり場が無い。特にこの病棟ではいやなことを忘れるための気分転換の方法が限られていて大変だ。このような時は真理や神の本を読んでも目が泳いでいるだけでちっとも頭に入らずに、抑圧された気持ちがムクムク出てくる。
確固たるゆるぎない悟り・信念により、自分への非難やさまざまな不安を超越し、マイナスの想念・言葉・行為とは無縁の存在になれるのはいつのことだろうか?
日々自分に降りかかる出来事がそのための試練であるとして、自分の心の反応の仕方を客観的に観察しながら、マイナスの想念・言葉・行為に至らないように努力しているつもりではあるが、地道に少しでも前よりは良い対応ができるように努力していればいつかはそのような境地に至るものと信じるしかない。
今日、家内からグラタンの差し入れがあった。
2004.2.29(日)
病室の外の木々に時々野鳥がやってきて、我々をなごませてくれる。今日、下腹部が赤い鳥が木をつついていた。はじめて見る鳥であり調べたらアカゲラ(キツツキ科)であった。この病棟でバードウォッチングをする人が少しずつふえつつある。皆、癒しを求めている。
今日、家内からパエリヤの差し入れがあった。
2004.3.1(月)
本日の血液検査の結果は以下の通り。
白血球数(3000〜9000):1440
赤血球数(500万):328万
ヘモグロビン(14〜18):10.3
血小板(15万〜30万):37.5万
顆粒球(1,750〜5,350):670
顆粒球が上がったので、本日一時退院。 カテーテルから採血できない状態が続いていたので、カテーテルを抜いた。途中に血が固まりつつある箇所があってそれがバルブのようになっていたとのこと。
次の入院は3月8日の予定。
2004.3.8(月)
本日病院に戻った。無菌病棟の個室。ここはベッドの頭の位置から足のほうに向かって常に風が出ており、ベッド上の空気の清浄度が高くなっている。
心電図、身長・体重測定、採尿、血液検査を実施。自宅に帰っていた1週間で2kgぐらい太った。血液検査の結果は以下の通り。
白血球数(3000〜9000):4,490
赤血球数(500万):311万
ヘモグロビン(14〜18):10.1
血小板(15万〜30万):24.7万
顆粒球(1,750〜5,350):3,770
カテーテルを胸に挿入した。挿入後カテーテルの挿入具合をX線でチェックした。
今回の治療計画の説明があった。自家抹梢血の移植は3/18の予定。
その前処置として超大量化学療法を実施する。使用する抗がん剤はサイメリン、パラプラチン、ラステッド、エンドキサン。3/22にリツキサンを実施予定。退院は4/9頃の予定。
他の患者に貸していた本「ただマイヨジョーヌのためだけでなく」が読み終わったので戻ってきた。看護師さんにも読みたい人がいたので貸すことにした。多くの人、特にガン患者に読んでもらって元気になってもらいたい。
2004.3.9(火)
本日は腹部エコーの検査を実施。妙に時間がかかった。今日から明日まで24時間の尿の量を計測する。トイレに目盛りのついた大きな袋が置いてあり、そこに尿を溜めていく。
2004.3.10(水)
昨日から溜めていた尿は約1.5リットルになった。1リットルから2リットルぐらいが標準的な量らしい。
本日より、毎日飲水量の記録を始める。腎機能検査のための採血をカテーテルから行った。入院時に新たにカテーテル入れたおかげでスムーズに採血できた。
今日から超大量化学療法が移植の前日まで行われる。本日はサイメリンの点滴。
2004.3.11(木)
本日から4日間、パラプラチンの点滴。薬剤師の人が今回の治療で新しく使う抗がん剤の説明に来られた。これも前の病院には無かった特長だ。
無菌病棟には無菌室という通常の病室より更にクリーン度の高い個室が何室かあるエリアがあり、通常の病室からは行けないようになっている。面会も家族でもガラス越しになる。ただし、免疫力が極端に下がっていなければ、無菌室から通常の病室のエリアに出ることは可能である。今日無菌室に居る人を見かけたので、声をかけた。一時腰から下がマヒしていたのが、膝は回復し歩けるようになったとのことだが、腰は医師がもう直らないだろうと言ったらしく、本人もその気になっている。「気持ちを前向きに持っていれば直るかも知れないですよ。もうダメといわれながら直ってしまった人をいっぱい知っています。」と励ました。人間の自在力は無限である。本来手遅れということは無いハズである。
2004.3.12(金)
少し口の中が甘くなってきた。少し気持ち悪い。
本日から3日間パラプラチンとラステットの点滴。朝から夕方までの大量点滴。
2004.3.13(土)
夜中に何度も小便に起きることもあって、日中もだるい。食欲もかなり減退気味。
2004.3.14(日)
昨夜、ワイパックスという吐き気止めを1錠飲んで寝たが、これは眠気も誘うので多少良く眠れた気がする。やはり夜中に何度も小便に起きる。
2004.3.15(月)
本日の血液検査の結果は以下の通り。
白血球数(3000〜9000):3,970
赤血球数(500万):280万
ヘモグロビン(14〜18):9.3
血小板(15万〜30万):20.9万
顆粒球(1,750〜5,350):3,770
本日と明日は大量の抗がん剤(エンドキサン)を点滴。
吐き気がひどく、昼からは食事を受け付けない。
昼過ぎにワイパックスを少量の水で飲用しただけで午前に食べていたものを全部戻した。
吐き気止め(プリペラン、アタP、ホリゾンの混合剤)を点滴すると吐き気が緩和されるとともに眠くなる。
2004.3.16(火)
吐き気と下痢がひどい。水分さえも戻してしまうので取れない。
昼過ぎにワイパックスを少量の水で飲用しただけで午前に食べていたものを全部戻した。
吐き気止め(プリペラン、アタP、ホリゾンの混合剤)を点滴を継続。
2004.3.17(水)
本日の血液検査の結果は以下の通り。
白血球数(3000〜9000):2,010
赤血球数(500万):262万
ヘモグロビン(14〜18):8.9
血小板(15万〜30万):17.1万
顆粒球(1,750〜5,350):1,900
吐き気と下痢がひどい。
昨日まではソリタという生理食塩水の点滴による水分補給だったが、食べていないので、今日はフィジオというカリウム、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、ブドウ糖からなる電解質輸液を点滴。
2004.3.18(木)
吐き気、下痢が大体収まり、気分もかなり良くなった。
本日は自家抹梢血移植の日。まず抗アレルギー剤(?)のハプトグロビンを点滴。次に副腎皮質ホルモンのソルコーテフを点滴。
その後、以前採取した自家抹梢血200CCを点滴。移植による体調に変化は特には見られない。移植した造血幹細胞が定着して造血が始まるまでに2週間程度要するらしい。
2004.3.19(金)
本日の血液検査の結果は以下の通り。
白血球数(3000〜9000):280
赤血球数(500万):278万
ヘモグロビン(14〜18):9.3
血小板(15万〜30万):10.3万
顆粒球(1,750〜5,350):200
2日ほど前から腕と足に発疹が出てきて少し痒い。エンドキサンのアレルギーと思われる。また口の中の荒れもひどくなってきた。
今朝までフィジオという電解質輸液を点滴していたが、これに代わってピーエヌツインという糖・電解質液とアミノ酸液の混合液を点滴開始。フィジオより各種栄養分が多い。
夜はかゆみ止めの飲み薬を飲んで寝た。
2004.3.20(土)
口の中の荒れが、頬肉の厚みとなり、ホッペがリスのように膨らんで腫れている。これが37度台の微熱となって出ているようだ。
2004.3.22(月)
本日の血液検査の結果は以下の通り。
白血球数(3000〜9000):130
赤血球数(500万):227万
ヘモグロビン(14〜18):7.7
血小板(15万〜30万):1.2万
顆粒球(1,750〜5,350):0
ついに顆粒球が0になってしまった。口の中の荒れも頬の膨らみもひどくなってきた。熱も38度台に上がってきた。ここでは通常39度にならないと抗生剤が出ないが、頬のふくらみがひどいため、早めに処方してくださることになった。
血小板の値が低すぎることから血小板の輸血を行った。
2004.3.23(火)
今朝までは熱も高く、頬も大きくはれていたが、今の状態はトータルに見てベストな状態で推移しているに違いない、と信ずることにした。常に神に心を合わせていれば、現在の状態が一見悪く見えても最終的に最善の状態に導かれているのだと感謝し、心を平静に保ち神を常に信頼せねばならない。この心を統制し平静に保つことこそが神の力を最大限に顕現させることにつながる。
そのおかげかどうかはわからないが、抗生剤が効き始めたのか、今朝から熱も微熱に戻り体調もよくなってきた。結果的に39度以上にもならずに早めに抗生剤を処方してもらえた上に、抗生剤が効いているようだ。最初の抗生剤は血液から細菌を培養して調べたわけではないので、必ずしも効かないこともあるようだが、今回はありがたいことに当たっていたようだ。
ヘモグロビンの値が低いので、赤血球の輸血を行った。
髪の毛の抜けが激しくなってきた。
2004.3.24(水)
本日の血液検査の結果は以下の通り。
白血球数(3000〜9000):20
赤血球数(500万):244万
ヘモグロビン(14〜18):8.0
血小板(15万〜30万):2.6万
顆粒球(1,750〜5,350):10
熱は平熱か微熱程度。まぶたが少し腫れている。本日も激しく脱毛。頬の腫れは少し引いた。
2004.3.25(木)
熱は平熱か微熱程度。まぶたの腫れ、頬の腫れは横ばい状態。本日も激しく脱毛。残りの毛が少なくなってきた。抗生物質の入った点眼剤コリマイCを処方してもらった。
2004.3.26(金)
朝、目やにで眼が開かなかったが、まぶたの腫れの状態としては改善してきた。点眼剤が効いているようだ。
本日の血液検査の結果は以下の通り。
白血球数(3000〜9000):750
赤血球数(500万):236万
ヘモグロビン(14〜18):7.8
血小板(15万〜30万):6.1万
顆粒球(1,750〜5,350):540
白血球、顆粒球が上がっているのはノイトロジンの影響。血小板は輸血の影響。
2004.3.29(月)
まぶたの腫れは直った。頬の腫れはかなり良くなった。昨日まで水に近い便が一日5回以上出ていたが、便の回数も2回程度に減り水のような便からドロのような便に変わってきた。腸の粘膜の荒れが引き、水分が吸収されるようになったのか小便の量が多くなった。だが午前中や午後の早い時間に飲んだ水分も夜中に小便となって大量に出てくることから腸での吸収にかなり時間がかかっているようだ。
本日の血液検査の結果は以下の通り。
白血球数(3000〜9000):11,690
赤血球数(500万):299万
ヘモグロビン(14〜18):9.7
血小板(15万〜30万):5.3万
顆粒球(1,750〜5,350):10,240
白血球、顆粒球が上がっているのはノイトロジンの影響。ノイトロジンは昨日で終了。血小板、ヘモグロビンのデータが悪くないので本日予定されていた輸血は中止。
2004.3.30(火)
リツキサンの点滴を実施。なぜか非常に疲れた。そのせいか微熱。抗生剤の点滴は本日で終わり。担当医から「今週中にたぶん退院できるでしょう」と言われた。だが腸の機能はまだまだ回復していない感じで、食べた食物の水分は吸収しているものの栄養分はどれだけ吸収しているのか心もとない感じな上、今日から久しぶりに廊下を散歩したら5往復しただけで疲れた。
2004.3.31(水)
平熱に戻った。今日は誕生日だが、生まれて初めて病院で迎えることとなった。まだ日中の飲水が夜中に大量の小便となって出てくる。便もまだドロ状。
本日の血液検査の結果は以下の通り。
白血球数(3000〜9000):2,920
赤血球数(500万):297万
ヘモグロビン(14〜18):9.8
血小板(15万〜30万):6.9万
顆粒球(1,750〜5,350):1,780
担当医から「次回血液検査でデータが上がっていたら退院となります、たぶん間違いなく上がるでしょう」とのこと。だが、今日も廊下を散歩したら7、8往復で疲れた。
2004.4.1(木)
夜中に小便に1回しか起きなくなった。便も形になってきた。ようやく腸の機能も回復してきた感じ。気分が良くなってきたので、廊下を少し多めに10往復強歩いたら、夕方どっと疲れが出てきたので、夜は早く寝た。
2004.4.2(金)
本日の血液検査の結果は以下の通り。
白血球数(3000〜9000):2,130
赤血球数(500万):291万
ヘモグロビン(14〜18):9.7
血小板(15万〜30万):11.1万
顆粒球(1,750〜5,350):790
ピーエヌツインという糖・電解質液とアミノ酸液の混合液の点滴は本日で終了。これですべての点滴が無くなった。
今週前半に担当医が「今週中に退院できると思います」と家族に言ったために、家族が非常に期待し、あわてて家の掃除をしたりして準備万端で本日を待っていた。ところが、データがかなり下がったので退院は延期となり、家族が非常にガッカリした。
とはいえ入院からまだ25日しか経っていないし、今回の入院計画では元々4/9退院の予定であった。今回予想外に副作用が軽く経過が良かったせいか担当医も早く退院できそうだと予想していたようだ。
私自身の感覚では、つい先日腸の機能が回復してきたところな上、通常一時退院の間際であれば廊下を30往復、40往復しても大して疲れないのに、廊下を少し歩いただけで疲れることからいつもの一時退院間際に比べれば、まだまだの感じであった。
2004.4.5(月)
本日の血液検査の結果は以下の通り。
白血球数(3000〜9000):2,390
赤血球数(500万):297万
ヘモグロビン(14〜18):9.6
血小板(15万〜30万):17.6万
顆粒球(1,750〜5,350):930
顆粒球が上がったので本日退院できることになった。午後担当医がカテーテルを抜いてくれた。
この後は通院治療となる。次回通院日は4/13。
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