ホーム>フェルメールの新発見>No.1作品は?
フェルメールのことを書かれて本やホームページは、色々ありますが、その中で、No.1を決めることをに、足を踏み入れたものはありません。例えば、私の好きな別の作家にヒロ・ヤマガタ作品がありますが、この中で、もしベスト1を選ぶとしたら、やはり1981年に描かれたペリエになると思います(ヤマガタ先生自身が認められていることもあります)。
フェルメール作品の中で、No.1を選べないか?それは、皆考えることだと思います。しかし、誰もコメントを出さなかった。個人・個人好みが違うこと、なくなったフェルメールに直接聞けないこと、色々考えるとかなり難しい選択になると思いました。1番良いのは、広くアンケートを取ると良いのですが・・・。
No.1の要素は、何でしょうか?まずは、そのことを考えてみました。それは、私のようなシロウトでも知っているような作品であることがひとつだと思います。例えば、プロ野球選手で、1番といったら、今だったらイチロー・野茂が出て来て、一世代前なら王・長嶋が出て来ます。そういう選手は、たとえ野球をよく知らない人でも知っているものです。そういうことを考えると、やはり「真珠の首飾りの少女」になると思います。あの有名なマウリッツハイス美術館のトップページを飾るのも、真珠の首飾りの少女です。
ただ、私は、色々調べて行くと、フェルメール自身がもし、もしもで、生前にNo.1は?と聞かれたら、多分「真珠の首飾りの少女」を選ばないと思います。彼が、もし選ぶとしたら、私は、「絵画芸術」では、ないかと思います。絵画芸術は、創作の動機(⇒フェルメール論・第8章寓意の図像・195ページ)からも、この作品にかけた情熱が伝わって来ます。
フェルメール作品の秀作の中で、多々意見があると思いますので、なぜNo.1でないか?をコメントしておきます。まずは、「デルフトの眺望」は、フェルメールの一生の題材とはいえないのではないでしょうか?もし、フェルメールが「風景画」を一生の題材として選んで、あの絵を描いたのなら別ですが・・・。スピードスケートの清水選手が、オリンピックの競輪で金メダルを取るようなものだと思います。
「牛乳を注ぐ女」も素晴らしい作品ですが、フェルメールの描く、繊細で折れるような女性から少し違った女性だと思います。ヤマガタ先生の作品の中では、ペリエの双璧とされる「レイニィデー(ヤマガタブルーを排除した水彩画のような名作)」という作品に位置ずけられる作品ではないでしょうか?
私が思う今は、フェルメール作品No.1ではないけど、時代(22世紀とか)が変わったらNo.1に踊り出る可能性がある作品としては、「窓辺で手紙を読む女」・「水差しを持つ女」・「ワイングラスを持つ女」・「恋文」・「天秤を持つ女」の五つです。
どの作品の素晴らしいですが、ただ、モチーフを持つこれらの作品が、「真珠の首飾りの少女」に取って変わるには、時代がそれを支持しないといけないと思います。例えば、フェルメール作品=手紙のような・・・。そういう意味では、しばらくは、「真珠の首飾りの少女」がNo.1である時期が続くのではないでしょうか?