まちづくりの考え方・すすめ方〜個別意向の積み上げによる合意形成

まちづくり研究所 田村孝平 丸山 豊 杉田典夫


 長崎市は市街地面積の約7割が、斜面地といわれています。斜面住宅地の多くは、車の通れる道路が少なく、狭あいな坂道や階段道しかありません。  このような道路条件は住宅の更新を阻み、住宅の老朽化と若年層の転出による人口減少、高齢化が進行しています。
 長崎市では、このような斜面市街地が抱える問題を総合的に解決するため、「斜面市街地再生事業」に取り組み、「密集住宅市街地整備促進事業」を導入しながら、斜面住宅地の再生をめざしています。
 ここでは、まちづくり研究所が関わっている長崎市の稲佐朝日地区と北大浦地区の経験をふまえながら、斜面住宅地の自律更新の条件をつくるための、まちづくりの考え方・すすめ方を紹介します。
このページは、北大浦地区のグループ懇談会などで住民の方々に話している内容です。 「造景32号」(建築資料研究社、2001年3月)掲載原稿に加筆修正を行い、実際に懇談会や個別ヒアリングで使った資料を加えています。