まちづくりの考え方・すすめ方〜個別意向の積み上げによる合意形成

まちづくり研究所 田村孝平 丸山 豊 杉田典夫


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実際に建て替えを行う場合には、建替え資金が問題になります。一般に住宅を建て替える場合には、古い住宅を壊して新しい住宅を建設するのですが、当然に壊す費用も自らの負担となります。 まちづくりにおいては、住宅の建替えを支援するために、道路整備と一体に建替えを行う場合には、古い住宅を市が買い上げ、その資金を建設費の一部に充ててもらうことを考えています。 また、古い住宅を市が買い上げてしまうので、その除却も市が行うことになります。
その上で、共同住宅に再建する場合には、古い住宅と土地の価額をあわせた金額を元手に、新しく自分たちで建設する共同住宅を取得(等価で交換)することになります。
もし、必要な広さが確保できない場合には、販売経費を含まない原価で買い増しをすることもできます。また、地区外にいる子どもたちが住戸を購入して戻ってきたいという場合にも、原価での購入が可能です。
一方、戸建てで再建する場合には、現在の土地の位置をずらして宅地を確保し、古い住宅の価額を元手にして、戸建て住宅を建設することになります。この場合、古い住宅を買収した金額なので、以前と同じ広さに建て替えようとすれば、 当然に資金が不足します。この不足分は新たに負担する必要があります。
宅地の位置をずらして曳家をする場合には、曳家に係る一切の費用が補償されるため、現金支出の心配はありません。
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斜面市街地再生事業位置図