まちづくりの考え方・すすめ方〜個別意向の積み上げによる合意形成
まちづくり研究所 田村孝平 丸山 豊 杉田典夫
1.斜面住宅地の問題点とまちづくりの目標
2.まちづくりの検討
─個々の住まいと生活から
共同建替えを中心にした住宅改善
3.共同建替えの考え方としくみ
4.個別意向と条件にもとづいて段階的に検討する
5.まちづくりの将来と今後のとりくみ
参考:
「密集住宅市街地整備促進事業とは」
「権利床」
「長崎市・斜面住宅市街地再生事業のとりくみ」
3.共同建替えの考え方としくみ
それでは、共同建替えの考え方としくみを具体的に紹介します。
共同建替えの模式図
以下の図は共同建替えによる整備の考え方を示すための模式図です。
共同建替えといっても、 建替えを検討する区域内の全世帯が集合住宅を希望するわけではありません。老朽住宅が多い斜面地でも、 限られた条件の中で新築再建した住宅もあれば、築年数を経ながらも増改築を重ね十分な修繕を尽くしている住宅もあります。 また戸建て再建に要する敷地や資金的余裕を持った世帯もあります。
戸建て住宅を希望する世帯には、「曳家」や「換地」、あるいは条件に応じて 「切り取り」などにより再建することができます。こうした戸建て住宅の再建は、 道路用地を確保しながら区域内のある程度の世帯が共同建替えにより集合住宅として再建することにより可能となります。
1、敷地・建物現況
図の水色の住戸が事業に参加する世帯です。
2.道路整備計画
赤い線が計画道路です。赤・黄・緑の斜線の住戸が戸建て住宅を希望している世帯です。
3.敷地の整形化、建物移転
戸建て再建の方は、それぞれの希望に応じて敷地を確保し、住宅の再建(改善)をします。
4.共同建替え、道路整備
道路と戸建て再建の敷地が決まり、あとの敷地は共同住宅を建設します。従前の居住者はここへ入居します。
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共同建替え事業のしくみ
共同建替え事業の基本は、 みんなが参加できる条件をつくり出すことにあります。「年金生活だから現金負担ができない」、「 借家に住んでいるが、家賃が高くなると生活できない」など、どのような条件の方でも参加できるようなしくみをつくらなければ、 全員が合意して事業をすすめることができません。そのため、共同建替え事業では次の4つの事業のしくみを持っています。
参考:
権利床
・
住宅改善策の選択>
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