3日目:遂に流氷とご対面!!

<2月18日(月)天気:晴れ>
旅程:網走からウトロ(知床)に向かう。

これが流氷砕氷船、おーろら2だ!!
 6:15に網走駅着。列車は雪の中走り続けてきたのでえらいことになってる。いや、外見だけがえらいことになってるのなら特に驚かないのだが、連結部や乗車ドア内側にまで、冷気が入り込んで氷のようなものが付着しているのには驚いた。それだけデッキが寒いにもかかわらず、客室内は暑い位ってのは納得がいかねぇ。→{9}
列車からぞろぞろと降りてくる乗客。でも、皆さんの行き場所はそれぞれらしい。輪駆は駅前で一通り写真を撮った後、流氷砕氷船乗り場まで(時間もあるし)歩いて行こうと思ったのだが、僕の他にそんなこと考えている人はどうやらいないらしい、皆色々な場所に散ってゆく(平日だもんな)。輪駆は新雪を踏みしめながら乗り場まで歩く。履いている靴は作業靴なので、そう簡単には水が染みてこない、ホントこの靴があれば冬の北海道も無事に踏破できそうだ。ただまぁ、ローカットなので、深い雪に踏み込むと大変なことにはなるのだが…雪の浅いところを歩きながら…時には歩道を外れたりしつつ乗り場までてくてく歩いたら30分以上かかった。
砕氷船乗り場にはまだ女子が2人いるだけ。時刻表で調べていた8:00出航の分の乗船券を購入。購入時に天候次第では運休になる可能性も…と言われるが、結論として8時の便は問題なく出航した(11時の便辺りから欠航したらしい、網走駅の掲示板に書いてあった)。という訳で出航まで1時間程あるのだが、輪駆さん網走に着いてから何も食べてない。駅前にコンビニがあったものの、ローソンとセブンイレブンだったのでセイコーマートが道中にあるだろうと期待を持って、そこを無視したのだが…結局乗り場までコンビニが一切無く、現在何も食べてない状況。そして、乗り場に食堂はあるものの、当然のようにまだ営業時間前。売店もまだ開店前で、乗り場の周辺は港なので、商店なんてあるわけもなく…仕方ないので自販機でカップのコーンポタージュを購入。これで下船まで空腹をしのがなければ…
乗船の時間を待っていると、徐々に客が増えてくる。そして、その大半は国外からの観光客(言葉聞けば分かる)。主に中国かな?ぱっと見じゃ分からないけれど(特に女子)、よくよく見れば(聞けば)分かる…ってか、本当に数が多い。噂には聞いていたがココまで多いとは…

 7:50頃からいよいよ乗船開始。良い具合の場所を取り、とりあえずザック置いて船内を一回り。帰ってくるとザックを完全に無視して他の乗客(これは日本人)が席に座っていた…しょうがないのでザックだけ回収して他の場所に。と言っても航海中に船内に居ることはあまり無いだろうと思っていたので、座席を確保と言ってもとりあえずな荷物置き場でしかないのだが…。砕氷船は8時ちょうどに出航。輪駆の周りは中国らへんの大家族か観光ツアーかっていう10人ほどの団体がいて、あまり居心地のよいものではない(何せ、言葉が…)ので、甲板に出ることに。湾内にはいくらか流氷らしきものがあるが、港を出てからしばらくは流氷っぽいものはない…が、10分も走らないうちに、流氷帯が見えてきた。

流氷をかきわけて進むおーろら号。

通った後には一筋の道が。
 実際のところ、氷の厚さや量では迫力不足(と、船員は言っていた)らしいが、何せ人生初・流氷の輪駆にとってすれば、見られただけでもまさに感謝感激、雨アラレである。後々に色々な人から、何度も話を聞くことになるのだが、運の無い人は3年来ても見られないだとか、10年目にようやく見られた人もいるとか…ソレに比べれば冬の北海道一発目(しかもオホーツク沿岸に来てまだ2時間ほど)でいきなり流氷に出会えた輪駆はなかなかに幸運だということなのだろう。しかも、空は晴れている(雪が降っていない)のに…だ。→{10}
流氷砕氷船は1時間近いクルーズを行うのだが、その殆どを流氷帯の中での運航に費やし、9時頃に再び網走港に戻る頃には、すっかり流氷を堪能して輪駆さん大満足。もう、先日の函館不時着のことなんか忘れた、それくらい気持ちよいクルーズだった。まぁ、さすがに甲板にずーっといると寒かったけれど(風が結構強かったのです、何度か三脚で写真を取ろうと試みるも、強風でカメラが転んで全然写真撮れなかった、船員さんに頼んで1枚は撮ってもらったけれどね)。そして、空腹のことなんかも完全に忘れてた。
網走港に着き、砕氷船を降りると、ちょうど駅までの連絡バスが出る頃だったので、乗り場の食堂に心惹かれるもグッと我慢してバス乗り場に向かう。外に出ると朝に砕氷船乗り場に着いた時には1台もいなかった観光バスが10数台ずらり並んでる…多分、9時の便に乗る人と8時の便に乗ってきた人のバスなのだろう…
路線バスは45分かけて歩いてきた道を、10分程で引き返す、運賃は230円。網走駅に戻ってきて、ここから残りをどうしようと。北海道に来る前はその日の天候によって今日泊まるホテルに何時入りするかってのを、2パタン位考えていたのだが、これだけ幸先よく流氷が見れると、この良い流れを継続したいもので。このままさっさとウトロに行って、できれば今日中に『流氷ウォーク』をしたいな、と思ったのだ。
ウトロへはJRで知床斜里まで向かい、そこから路線バスで向かうのだが…知床斜里行きは10:01の快速「しれとこ」釧路行か、10:25の「流氷ノロッコ号」知床斜里行のどちらか。どちらに乗っても知床斜里からは同じバス(11:30発)に乗るので、折角だからと後発のノロッコ号に乗ることに。
ノロッコ号の発車までは1時間半位あるので、その間に朝食にすることに。駅構内にある喫茶店は、モーニングか駅弁のどちらかしか食べるものはなかったので、駅弁を食べることに(笑)帆立弁当に舌鼓を打ち、列車を待つ。ノロッコ号はイベント列車なので、指定席もあるのだが、今度乗る列車は普通列車の代わりとして運用されているという側面もある(ノロッコ号運行期間は、10:39網走発の普通列車が知床斜里までの区間で運休になる)せいか、自由席がかなり多めに用意されている(トロッコ型車両のほかに、客車車両も存在する)。だから、無理せずに自由席を選択。6回の指定券は有効に使わなければ(もう4回分発券してるし)。

ノロッコ号からも流氷が見られました。
*列車時刻表*

10:25 網走発

↓ 流氷ノロッコ1号

11:22 知床斜里着

 ノロッコ号は、JR北海道が誇る観光用のイベント列車で、夏には釧路湿原や富良野・美瑛の景色を堪能させ、冬には流氷観光の柱として、年中道内を駆け回っている。この流氷ノロッコ号だが、普通の列車との違いとして、まず『だるまストーブ』が備え付けてある。これのおかげでトロッコ型客車でも暖かい(元々JR北海道所属の車両だから断熱は完璧なのだが)。そして、このストーブでは、車内売店で販売しているするめや鮭とばだとかを炙って食べることが出来るのだ。ちなみに、だるまストーブの燃料である石炭は、乗務員が度々“くべ”に来る。そしてもう一つは、乗務員(女性)による実況アナウンス。これも結構軽快で、親しみやすい感じの語りなので聴いていて面白い。単に流氷の話だけでなく、路線や駅の知識、そしてこの釧網線で実験として走っているDMV(デュアル・モード・ビーグル。いわゆる鉄路と道路どちらも走ることが出来る夢のような車両なのだ。参考)のことも話してくれる。流氷観光目的で乗るのがもちろん一番なのだが、そうでなくても(もちろん流氷が見られない日も在るし)乗客を楽しませようという姿勢は非常に歓迎したい。→{11}
その、ノロッコ号だが、写真の通り車窓からでも流氷はしっかりと見ることが出来、他の乗客の皆様も感嘆の声を挙げていた(やっぱり平日だからおじちゃんおばちゃんが多い、若い人は大抵アジア系・笑)。アナウンスのお姉ちゃんも、結構興奮気味に話していたから、本当によく見える日だったのだろう。何にせよ流氷三昧なのはとてもいいことだ。
1時間ほどで知床斜里に到着。ここからは路線バスでウトロに向かう。同じくノロッコ号に乗っていた人の中にも当然、ウトロまで行く人はいるのであろうが、路線バスに乗っているのは10人にも満たないほど。それもそのはず、ツアーパック等でウトロに向かう人のために、JRと旅行会社、ホテル業界が手をガッチリ組んで『ツインクル号』というのを知床斜里からウトロまで走らせているのだ(他にも路線多数あり、参考)。だから、ノロッコ号を降りた乗客の大半は、路線バスより一回り大きいツインクル号に吸い込まれていく。路線バスには1人旅的な人が多い。輪駆もバスターミナルで切符(と言っても金額部分に穴を開ける方式の原始的な票券)を購入して、路線バスに乗り込んだ。

バスからの眺め、手前の黒いのは柵。柵の向うは全部流氷。
*路線バス時刻表*

11:30 斜里バスターミナル発

↓ 斜里バス知床線

12:15頃 ウトロ町内・小松宅前着

 この、ウトロ〜斜里間は、一度自転車で走ったことがあり(初の夏北海道だった、もう10年前の話ですよ参考)、バスの車窓から見えてくる景色にも、うっすらと記憶があるような、ないような…さすがに10年前の景色は完璧には覚えてないようだ(もちろん、夏と冬の違いもあるだろうし)。しばらくは海から離れたところを走っていたのだが、そのうち海が見えて…
と思ったら、窓の向うに広がるのは雪原。いや、違う。目の前に広がる白い雪原は…流氷帯なのだ。見渡す限りの真っ白な海、今まで見ていた流氷帯がおもちゃに見えるくらいだ。本当に、どこまでも歩いていけそうな、そんな感じに白い海原が広がっていた。
そんな海原を見ながら、バスは快調にウトロに向かう。ってかこのバス、本当に飛ばす、普通に走っている自家用車を追い越す路線バスってのも珍しい。斜里からウトロまで40kmほどあるのだが、それを45分で走りきってしまうのだから、(路線バスにしては)相当飛ばしているのが分かるだろう。まぁ、停留所が少ない&誰も乗り降りしないというのもあるでしょうけれど。
そんな訳で、ウトロの町内に入り、一番初めのバス停である『小松宅前』で下車。斜里からここまで1,450円である。参考までに言うとJR北海道内の幹線の場合、41〜45kmの運賃が810円だから、路線バスはあなどれない位高いわけだ。まぁ、この乗客数じゃ仕方ないだろうが…
小松宅前からてくてく歩いて今日の宿泊先『いるかホテル』へ。インターネットで『流氷ウォーク』を検索していて、一番初めに見つけたのがこの『いるかホテル』だったのだ、それだけの理由でこのホテルに宿泊し、流氷ウォークをすることに決める。意外と浅はかな考えであるが、大体それが間違ってないのだから人生って面白い。
ちなみに、いるかホテルのWebページはこちら。皆様も知床観光の際は是非ご検討アレ。

 まだ除雪前の(車用)進入路をひーひー言いながら抜けて、入り口へ。シティホテルと違って、こういう個人経営っぽい宿に入るのは、とにかくドキドキする。どんな人が出てくるかもわかんないし、誰も出てくれないかもしれないし…まぁ、意外とすんなりと従業員さんが出てきてくれて、程なく部屋に案内されたわけなのだが…現在のところ、『流氷ウォーク』を今日希望しているのは輪駆1人らしい。もし…なら明日は何人か希望者がいるので明日にでもといわれたが、これだけ天気がよい、しかも流氷がガッツリ居る現状を見せられると、なんとしても今日のうちにやってしまいたいと思う。やっぱり『出来ることは出来るうちにやっておく』というのは旅の鉄則だからだ。
とりあえず流氷ウォークのことは後回しにして、先ずは昼飯だろうということで、近くにある道の駅まで車で送ってもらうことになった。荷物を置くために、部屋に案内してもらう。部屋はもちろん、海が一面に見渡せる部屋なのだが…部屋からの景色が下の写真だ。→{12}

流氷で埋め尽くされたウトロの港。
写真をクリックしたら大きな画像になります。
(戻る時はブラウザの[戻る]ボタンでお願いします)
 と、一見するとどう見ても平原であるが、真ん中の辺り(写真の切れ目の少し右)に堤防があるのが分かるだろうか?要はあの辺は既に完全なる海。もちろん手前の方も、ほとんど海である。そして遥か遠くに見える青いのが、ようやく海。あんな遠くまでずーっと流氷が居座っているのである。大変な話だ。折角だから地図も含めて説明しよう。

中心のポイントが『いるかホテル』
 左の地図を見て欲しい。まず、中心のポイント、これが『いるかホテル』である。丁度ここから港の方を眺めているのが、上のパノラマ写真になるわけである。ようするにこの囲まれた場所は全て流氷。もちろん、そのほかの場所も地図上で写っている海は全て流氷だと考えていただいて構わないだろう。写真だけでは伝わり切らない、まさに圧巻の景色であった。昼飯のことも忘れてしばし見とれていたのである。
とはいえ、車を用意してもらっているので、ずーっと見っぱなしではあかん。とりあえず車に乗せてもらって道の駅で降ろしてもらう。ってか、10年前に道の駅なんて無かった…というより、この道の駅の前にあるでっかい道路も無かったと思うのだが…??見た感じやけに新しいし。
道の駅についても、すぐにご飯にはせずに、しばらくウトロの街を歩き回る。確か…当時はセイコーマートが1軒あったかなかったか位だったような記憶があるのだが…交差点の側にセブンイレブンがある、と思ったらこれはごくごく最近に開店したものだった(笑)でも、当時の記憶とは随分違う。確かこの変は一本道でバイパスなんか無かった…後で、流氷ウォーク中にインストラクターの人に話を聞いたのだが、バイパスも道の駅も、去年の冬には無かった…要は、去年の夏辺りに出来たものらしい。北海道はボーッとしているとどんどん道が広くなったり、バイパスが出来たりするので、こちらもおちおちとはしていられない。恐るべし北海道開発局、である。

懐かしい、酋長の家。
 それでも、当時クラブの後輩が住み込みで働いていて、10年前のツアー中にお世話になった『酋長の家』は当時のままに残っていて、それを見て少し安心した(いるかホテルがだめならココに宿泊するという案もった)。知床野営場へと続く登り道もなにか懐かしい。10年前にココに来た時は羅臼から知床横断道路で知床峠(知床横断道路は冬季閉鎖)を越えて来たのは良いけれど、峠登る途中に膝壊しかけて、ウトロで休憩と知床観光も兼ねて連泊したことをついさっきのことのように思い出す。思い出すのだが、景色は結構細かいところに関しては忘れているのがちょっと悔しい。大まかなところは覚えているんだけれどねー
結局、色々思い出しながら街を歩き回った挙句、再び道の駅に戻って昼飯。舞茸天蕎麦とミニいくら丼を食べる。いくらは獲れるのは秋から冬にかけてだが、しょうゆ漬けにするものだし、特に旬とかいうのもないので、道内では比較的安心して食べられる食材だとおもう。まぁ、最近は冷凍技術が凄いから、大抵の魚なら旬でなくとも美味しく食べられるんですけれどね…。
食事をしてホテルに戻る、道の駅からホテルまでは1km程度なので、てくてくと歩くことにした。歩道もちゃんと除雪・圧雪されているので非常に歩きやすい。むしろこの雪(特に新雪)を踏んで歩く時に鳴る『キュッ』っていう音が好きだ。こういう自然の音を感じながら歩くだけで、楽しい。でも、あまりはしゃぎすぎて学校帰りの小学生にビックリされるのもアレなので、努めて冷静に、でも脳内は超・ハイテンションで。
ホテルに戻ると、オーナーの人が「15時半位からならウォーキングできる」と言ってくれた。現在14時過ぎであるから、1時間位間があるので、とりあえず部屋でゆっくりすることにした。ゆっくりしていると、夜行列車の疲れもあってか、1時間ほど眠ってしまっていた…

 内線電話で目が覚める。流氷ウォーキングの準備が出来たらしい。慌てて目を覚まし、下に降りてゆく。とりあえずカメラは忘れずに…だったのだが電池を交換するのをすっかり忘れていた。そういや昼飯食べる頃に電池が大分少なくなってきていたので、交換しなきゃなと思いながら寝ちゃったんだった。
食堂(兼・居間?)でドライスーツに着替える(Blogでウェットスーツって書いていたけれど、ドライスーツの間違いでした・笑)ドライスーツは着るのに結構コツがいるので、こういうのは初めての僕が1人で着るにはちょっと無理がある。帽子は自前のニット帽で、後はごっつい手袋(これもドライもの)は借りる、これで装備は完了である。カメラはインストラクターのお兄さんに預け、いざ、流氷の上へ。

流氷に埋まってご満悦の輪駆さん。

夕焼けを眺めてたそがれる輪駆さん。
 まぁ、いうまでもないがこれらの写真は全て流氷の…海の上での写真である。氷もかなり分厚いらしく、身体半分位流氷に埋まっても、水まで届いてるか届いてないか微妙な位(だから1m位は厚さがあるのかな?)。凄い時には氷の厚さが4mも5mにもなるというのだから、自然の凄さというものをこうやって生で感じることが出来るのは本当にありがたい。経験というものは、自分の足で稼がないことには貯まらないものだと思ってるし。
ただ、運の悪いことに、この日は某テレビ局のクルーが同じホテルに宿泊しており、その人らの撮影の邪魔にならないように流氷ウォークを行ったので、思いっきり沖まで歩くっていうのはやらなかった(多分、普段でもやらないと思う)のだが、それでも↑の写真でいう、堤防の辺りまでは歩いたのだからかなり歩いたことになる。
後はホテル裏の岩場(地図でいうチャシコツ岬)の海側に回ってみたりした、ここにはキタキツネの巣があるらしく、運がよければキツネに会えると言っていたが…結局見つけたのは足跡と、キツネが食い荒らしたっぽい小鳥の死骸だけ。そういや夏にはキャンプ場でよく出会うキツネも、冬はまだ一度も見ていない。会えないとなると逆に会いたくなってしまうのは、やっぱりワガママだなぁ、と思ったりもするのだが。ちなみにこの岬の岩の上には、よくオオワシやオジロワシが翼を休めているらしい。インストラクターさんもよく見ますよ、と言っていたし輪駆も実際オジロワシは目にした。
歩いているうちに、随分と日が暮れてきたので(17時頃が日没)、後はゆっくりと流氷の上で男2人夕焼けを眺めることにする。その時にインストラクターさんと色々と話したのだが、彼は成瀬さんといい(いの一番に千葉ロッテの成瀬投手が浮かんだ・笑)夏は沖縄でダイビングのインストラクターを、冬になると流氷ダイビングのインストラクターをするためにこちらに来るのだという。だから、夏の北海道には来た事がないとのこと…「夏の北海道もいいところですよ」と、住んだこともない輪駆がついつい喋ってしまった(笑)→{13}
日が暮れて暗くなると、まともな灯りもない海の上なので、そそくさと退散してホテルに戻る。都合1時間ちょっとではあったが、これ以上ない、極上の体験をすることが出来た。惜しむらくはカメラの電池不足で、写真を撮りまくることができなかったことか(それでも10数枚は撮りましたけれどね・笑)。ドライスーツを脱いだ後も、部屋に戻ったところで1人だし、こんなところまできてテレビを見る気にもならないし、できれば誰かとなんか喋りたいので食堂に結構居座ってみたのだが、それほど誰かと話をするということもなく、食事の準備を眺めているうちに食事の時間に。
今日の宿泊客は10人ほどだ。夫婦っぽいのと、旅行者(韓国)は女子2人のと、男子1人の。それと女子1人の旅行者(日本)と前述のテレビクルーが3人。テレビクルーは“流氷の鳴く音”が録りたいのだそうだ。ただ、この音はそう簡単に録れるものじゃないという話をオーナーからされていた。テレビマンも何かと大変である。(日本の)女子1人とは食事の席も隣だったし何か話せばよかったのだが、何せ輪駆さん、こう見えてもかなりな奥手ちゃんなので、話しかけるなんてもっての他。まぁそれでも、なんかの拍子に少し話したっけな?ちなみに、食事はたこしゃぶ(ウトロはたこも獲れる)とカニは花咲ガニっぽかったかな?後はまぁ、色々と…。シンプルではありましたが、とても美味しかったです。→{14}
食事の後、ウトロの宿泊客向けに『オーロラファンタジー』なるものをやっているので、観に行くかどうかを聞かれる、折角だしこれは見ておこう(テレビクルー以外は大概行くって言ってたし)ということで…車で会場まで送ってもらって、観覧料300円を払っていざ、オーロラファンタジー。
ウトロでは、50年ほど前に一度だけオーロラが見られたという記録が残っていて、それを人工的に再現しようというのが、この『オーロラファンタジー』なのであるが…ウトロ中の宿泊者が見に来ているようで、観客数は200人位居ただろうか、結構な人だかりである。内容は結構面白かったが、何せ写真じゃ映らないだろうし、伝わらないだろうから写真は殆ど撮ってない。気になる人は冬のウトロに泊まりに行ってください。毎年恒例らしいので。(参考

 オーロラファンタジーを観に行くうちに、女子1名とも随分話せるようになって(ほかの客が海外の人だったってのもあるしな)、とりあえず彼女も輪駆と同じく明日の朝のウトロを発つので、斜里までは一緒に行くことになった。道連れが出来るのは何であれ嬉しいことだ。彼女は現在札幌に仕事で住んでいて、そろそろ転勤になりそうだから北海道にいるうちに、というのでこの知床まで来たらしい。で、流氷ウォークも今日の午前中にやって、午後は知床自然センターからスノートレッキングをしに行っていたとのことだ。スノートレッキングもちょっと気になるけれど…まぁ、今回は無理なのでまた今度来たときに、かな?

露天風呂、気持ちよかった!!
 オーロラファンタジー観に行く時に『外は寒いから』とは言われていたが、そして、実際ファンタジー会場内の気温は7℃位だったのだが、ちゃんと服さえ着ていればそんなに寒くない。この3日目辺りから長袖Tシャツにフリース、そして上着と3枚しか着ていないのだが、上半身に関しては殆ど寒いと思ったことがない。首周りもマフラーよりはネックウォーマーの方が便利なので、マフラーも3日目以降は殆ど使うことが無かった。手袋も本格的な奴でない、関西でも普通に使えるようなものだったのだが、特に不便だと思ったことも無いし…僕ってば、ひょっとして北海道でも快適に暮らせるんじゃないだろうか?と、そんな変な自信まで持ってしまいそうになる。
部屋に戻ってからすぐに、外に露天風呂があるというのでそこに行くことに。小さな露天風呂(ちゃんと男女別です)で、男2人も入ればもう満杯なのだが、すぐ外はウトロの海が見え、非常にロケーションは良い!!入っていると男子1人の旅行者が入ってきた。向うから話しかけてきてくれたのでちょっとビックリしたが、大変に流暢な日本語を話すので、違和感なく話すことが出来た。話によると彼は韓国の…釜山の近くに住んでいるようで、兵役が終わって就職する前に、1人で日本を回っているということらしい。
そうだよなー韓国は兵役あるんだもんなー偉いよなーって感じで話していたのだが、やっぱり韓国男子でも兵役は嫌なものらしい。しかも有名人やスポーツ選手ならまだしも、ペーペーな一般人になると期間は2年…今の日本がそうだったらどうなっておるだろうと、色々考えてしまう。その彼とは30分位、日本のことやらなんやらを話していた。もちろん、全て日本語である(輪駆は壊滅的に多国語を話せない)。彼も固有名詞以外の日本語は本当に流暢に話すので、やっぱり外国を旅行するならせめてコレ位は言葉が話せないとあかんよなぁ…と改めて思うのでした。→{15}
風呂から彼が上がる時に、写真撮ってもらう。逆に、こっちも彼の写真を撮る。何せカメラ構えてる側は7℃の外気の中で、素っ裸だ(笑)こんな楽しい裸の付き合いなら、いくらでも来いってんだ(笑)外気温が寒いせいで、風呂にどれだけ入ってても全然のぼせないし。

 あとは、いざ眠るだけ…なのだが。寝る前に外の流氷を眺めていると、なんかさっきと違うことに気付く。っても、昼間にあれだけ頑丈だった流氷が、そんな簡単にどうこうなるわけないだろ、と思ってはみるのだが、どうもあれだけびっちりだった流氷にスキマがあるように見えるのだ。また、写真を撮ってあるので、それを見ていただきたい。

流氷で埋め尽くされた…??アレ??
写真をクリックしたら大きな画像になります。
(戻る時はブラウザの[戻る]ボタンでお願いします))

 明らかにさっきまで無かったはずの隙間(黒く見えるところ)が見えるであろう。これが、次の日に果たしてどうなっているのか…??自然の悪戯にドキドキしながら、この日は眠りにつくのであった。

*この日の出費*

流氷砕氷船おーろらで3,000円
コーンポタージュスープで100円
網走バス乗り場〜駅までで230円
帆立弁当で840円
ローソンで水とチョコレートで194円
斜里バス斜里〜ウトロまでで1,450円
道の駅で舞茸天ソバとミニいくら丼で1,000円
オーロラファンタジー入場券で300円
オーロラファンタジーへの寄付金で200円

18日小計、7,314円


4日目へ
*旅程ショートカット*

はじめ12・3・456789・*・*・まとめ・・旅行記TOPへ