9日目:帰阪!!…のはずが…!?

<2月24日(日)天気:雪>
旅程:新千歳空港から…

しばらくは見納めとなるなぁ…札幌駅。
 北海道最終日。8時頃にゆっくり起きる。今日のホテルは朝食付き(パンとジュース)なのが嬉しい。帰りの飛行機の出発時間は12:30。それに間に合うように9時過ぎの快速エアポートに乗ろうと、9時頃にチェックアウトして札幌駅に向かう。駅までは5分程、これでもう雪道を歩くのとお別れかと思うと、少し寂しい。
「北海道フリーパス」が昨日で期限切れになったので、新千歳までは切符を買わないといけない。とりあえず券売機に向かっていたのだが、電光掲示板がおかしい。気になって改札の方に先に行ってみると昨日の雪の影響で今日も列車が動いてないとのこと。あれ?
各方面の特急はもちろん、エアポートや普通列車すらまともに動いてない状況である。空港まではバスを利用してくださいとの掲示があるので、「まぁ、まだ時間に余裕あるし」と空港バス乗り場に向かうのだが…バス乗り場には、恐ろしいほどの行列が。順当に行っても、3本は待たされる位の乗客数だ、これは…とさすがに嫌な予感がしたのだが、とりあえず12:30までに空港に着かないと。まぁ、空港バスも20分に1本位あるので、順調に行けば空港には11時半には着けるはず…大丈夫だろうと、寒空の中バスを待つことに。→{42}
だが、バスは待てど暮らせど来る気配なし。ようやく来たバスは近隣のホテルからの乗客が既に座席半分埋めるほど座っており、乗れてせいぜい10数人。このままでは本格的にいつバスに乗れるか分からない…そして、今日には大阪に着く予定だったので、冬装備として2枚重ねしていたスボンも、1枚しかはいていない。これが本当に寒い、あまりの寒さにどうにかなってしまいそうだ。
さすがにそのうちに我慢できなくなり、一応用意しておいた足用カイロを使う。足先が冷えないだけでも、全然楽にはなるのだが…肝心のバスが全く来る様子がない。しかし、バス以外に空港に向かう手段といえば、タクシーしか思い浮かばない…どう考えても理不尽な位お金がかかるので、それだけは避けたいのだが…いよいよ時間的にも危なくなってきてしまった。この調子だと、運がよくて2本目のバスに乗れるかどうかという立ち位置で…

函館線に千歳線、他の路線も壊滅状態の札幌駅
 結局、このままではどうあがいても間に合わない!!ということで、列から飛び出して地下へ。さすがに札幌駅からタクシーに乗るような勇気はないので、地下鉄で出来るだけ空港に近づいて(と言っても福住駅までなのだが)、そこからタクシーに乗れば何とか間に合う!!と地下鉄に乗り込む。ここからはもう時間との戦いである。
東豊線さっぽろ駅から福住駅まではおよそ12分。ここからタクシーに乗れば、普段なら40分とかかるまい。お金がかかるけれど、飛行機に乗れないよりマシだ、涙を呑んでタクシーに飛び乗る。運良く1台だけタクシーが待っていてくれた。

「く…空港までどれ位かかります?」
「1万もあればいけるかなぁ」
「…お、お願いしますっ(泣)」

そんな訳で、√36をタクシーで一路新千歳へ。もちろん、高速も使う。1分でも早く着いておきたいと言うのがあったからだ。グングン上っていくメーターの料金に、ただ笑うしかなくなってくる。おかげで運ちゃんとは随分楽しそう(≒ヤケクソ気味)に話できましたが。しかし、このタクシーの運ちゃんがかなり面白い(!?)人で、高速入るときにETCレーンに突っ込んでいくし、高速代払う時にETCカード渡したら、肝心の入場券渡さずにカードだけ渡そうとするし…ホント、大丈夫かよ(笑)
が、世の中考えてることは皆一緒。千歳インター降りてからが大渋滞。空いていればインター降りてから空港まで10分かからないのだが、今日ばかりは車が動かない。そして、時計は無常にも12時を過ぎてゆく…これは空港着いたら全力ダッシュやな…と覚悟を決めるのだが。→{43}
そういや、出発時間って12:30でよかったんだよな…??と今更ながら確認をする。こういうときは携帯の有難さを感じずにはいられない。ANAの携帯サイトに接続し、該当便の出発時刻を…

「あれ?12:05出発!?」

 ってか、今まで何故確認しなかったのか…!!
自分のバカさ加減に、さすがに凹む。あぁぁ、終わった、全てが終わったよ兄さん…。
…でも、でもだよ。
ひょっとしたら道路も鉄道も混乱しているんだから、飛行機だって無事だとは限らないじゃないのさ。ひょっとしたら出発時間に遅延が発生しているかも!?と、思いなおし更に携帯で確認。

『千歳発神戸行404便 欠航』

 …嬉しいんだか嬉しくないんだか。
とりあえず、今までの慌てっぷりが全部無駄になった。ついでにいうと、こうやって遅い決断でタクシーに乗り込んだことすらも無駄になってしまった。運ちゃんからは「1万円でいいよ」と少し負けてもらったのだが、あまりにも大きい代償だ。ちゃんとバス待ってる時に運行状況確認しておくべきだった…と後悔してももう遅い。
12:30頃に何とか空港着。運ちゃんに1万円払って、車を降りる。あまりの慌てっぷりに、膝の上に置いておいた手袋と帽子を足元に落としてしまっていたことにようやく気付く。雪道を歩いた靴のおかげで、どちらもしっとり濡れている。こうなるとテンションは下がる一方だ。
まぁ、タクシー代については「僕も少しは北海道経済に貢献した」と割り切るしかないのだが…帰るべき便が欠航になったのはこれが生まれて初めての話。さすがに頭の中が混乱して、どうすればいいのかが全く分からなくなってしまう。

大混雑の空港内は、疲れを倍増させる。
 空港内は、昨日の欠航の影響で取り残されている人も加えての、大混乱っぷり。千歳には何度か来たことがあるが、そのどのときよりも人の数が多い。というより、地べたに座って夜を明かしたような人(時々ニュースでやってますよね)がたくさんいる…流れている空気のどんより感に、更に気が滅入ってしまう。
とりあえず、どうすればいいのかを職員に聞きたい。でも、職員が全然見当たらない。とりあえず並んでいる列があったので、そこに並んでみるのだが…これが実際何の列なのかも分からないような、そんな状況である。近くの人が「この便は欠航しました…云々」っていう半券を持っていたので、それを取るために一度列を離れ、搭乗手続き機に行ってその半券を出力して、再び列に並ぶ。しかし、並んだところでどうなるのかすら分からない。不安ばかりが優先して、だけれどもこの列に再び並ぶだけの気力も体力も無いわけで、今は大人しく列に並んでおくしかないな。と。こういうときは1人旅ってのは辛いもので、2人いれば1人が並んでおいて、もう1人が情報収集と幅広く動くことが出来るのだが…→{44}
しかも、運の悪いことに携帯の電池残量が残りゲージ1つになる。もしもここで携帯を失おうものなら、本格的に危険である。とりあえずそれだけは避けなければと、電源を切っておく。もしもの場合にはとPHSを持ってきてはいるものの、非常時には意外と役に立たないのがPHSの難点(電波が、というわけではなく、フリーダイヤルなどの“一部繋がらない電話があります”に含まれているということで)。でも、まだ持っているというだけでも、ある程度助けにはなる。
それから、昼飯も食べずにひたすら並び続ける。窓口は大混雑らしく、10分待ってようやく数メートル進めるかという程度。時間だけがいたずらに過ぎてゆく。それでも、牛歩ではあるが行列が進んでいるのがせめてもの救いか。近くに並んでいた人たちも、少しづつ疲れや、相方との共同作戦などで列を離れてゆく。こういうとき本当に1人旅は辛い。
4時間ほど行列に並び、さすがに腹も減ったし、疲れもピークに達してきた頃。ようやくカウンターが近づいてきた。ただ、ここからまだ軽く2時間はかかるであろうというだけの距離は残っている。しかも、よくよく周りの話を聞いてみれば、この行列は「当日キャンセル待ち」の行列なのではないか?と。
もちろん、キャンセル待ちして早く帰れるに越したことはないが、もうこれ以上空港には居たくないというのが正直な話で。とりあえず航空券の振り替えをしたいだけの僕としては…ここに並ぶこと(そして、今まで並んできた自分に対して)に無駄骨だったのか、と思うようになった。
そこに、救いの神とばかりに前に見えた看板は、「電話でも振り替えの手配をしております」という表記と、電話番号。この4時間が無駄になっても構わない。とりあえず今は空港から出て、仕切りなおしたい。と思ってそこに電話する…のだが、PHSからでは繋がらないらしい。となると携帯でしか電話出来ないのだが…携帯の電池残量はもうゲージ1個である。もしも電話中に電池が切れたら…
ただ、もう止まる事は許されない。センターに電話して、航空券の振り替えの手続きをする。先日からの悪天候のためか、明日の便は既に満席で、明後日の便でないと空きがないとのことだが…背に腹はかえられない。明後日火曜日の12:00発、関西空港行1714便を予約する。予約番号を教えてもらい、これをカウンターで伝えてくださいということなのだが…それはいよいよ当日でも問題ない話なので、とりあえず地獄の行列から脱出する。むしろ最初からこうしておけば良かったのだが…まさか、ここまで自分がどうしたらいいか分からなくなるとは思いもしなかった。まだまだ旅人ビギナーだなぁと自分を戒める。

 行列から抜けたことで、少し気分も楽になる。とりあえず空港内のコンビニで水を買って一息ついて、一度札幌に戻ることにする。今日はもう北海道を出ることができないのなら、どこかで宿を取る必要もあるし(そうとうに疲れていたので、ネットカフェなんて選択肢は一切出ない)。
宿を取るなら携帯で…なのだが、手続きをしようと携帯でネット接続していると、無常にもここで電池切れである。いや、先の電話の時に切れなかっただけでもよく頑張ってくれたのだが…(ちなみに、今日帰ることができるから充電はいらないやと思って昨日充電しなかったの)。
何にせよ札幌に帰りたい。鉄道ももう復旧しているようだし、とまずは新千歳空港駅に向かうが、そこは列車に乗るために改札の外まで大行列ができている。そ、それは無理…ということで、空港バスに乗ることに。アレは完全着席制(高速経由のため)だから、とりあえず座ることは出来る。今はただただ座りたい。
札幌行きのバスは、1本待つだけで乗ることが出来た。とりあえずこれで福住まで行くとしよう。福住からは地下鉄の「ドニチカきっぷ」で都心に向かえば良いだろう。滞在延長になったことで、下着の洗濯もしなければならないので、何だかんだ地下鉄には乗るはずだし。
バスを待っていると、PHSがどこに行ったか分からなくなるが、慌てて探したもののちゃんと服の中にあった(それ位自分を見失っているという、良い例)。で、満員のバスに乗って福住へ。この辺でそういや朝からろくに飯食ってないことに気付く(ちなみに現在、19時前)。折角東豊線に乗っているんだから…『カリー軒』に行こう!!と思い立って発寒中央で下車。駅から5分程緩やかな坂を駆け下りてカリー軒へ…
でも、日祝はあそこ、定休日なんだよね。すっかり忘れていたよ…
('04/5/2にも同じミスを犯してる)

今日の夕食は鳥の照り焼き(L)
 失意のまま駅に戻り、大通で下車。とりあえず携帯を充電しないことには、宿の手配も出来ないではないか(PHSでやろうとはしたが、何故か繋がらず)。ということでタウンページを探し当ててドコモショップ探し。幸い、大通公園(丸井今井辺り)のすぐ側に札幌店がある。ダッシュで乗り込むと、店は20時までやってる。助かった。
充電しながら楽天トラベルで宿の予約。今日はドニチカきっぷもあるし、と少し離れた中島公園にあるホテルを予約する、1泊3,500円という安さに惹かれて、だ。予約しているうちに20時を過ぎていたらしく、閉店準備をしているのに気付き、申し訳なさそうに外へ。地下鉄の駅まで歩く間に、事務所の所長に「欠航になって帰られない」と報告する。これで火曜日までの北海道延長滞在が確定したわけだ…

 で、中島公園に到着し、歩いてホテルへ(駅から徒歩1分)。「ホテル330グランデ札幌」というホテルなのだが、安いホテルだしどうせ…と思っていたホテルは思ってた以上に豪華で。しかも今日ルームクリーニングが終わったばかりの部屋に入れることに。雰囲気も良いし、今日初めて癒された気がするよ…→{45}
そこから、洗濯物だけを持って地下鉄で北12条へ。この近くには輪駆御用達の「北13条コインランドリー」があって。そこで洗濯しようという魂胆。洗濯しながら、今日は何を食べようかと…結局先日も行った「クラーク亭」になるのですが。「こどちゃ」の続きも気になるし(笑)
結局閉店まで(っても店入ったのがラストオーダー10分前前だったのだが)居座って、そのすぐ近くにある「ピカンティ」に明日行こうと決意して、ホテルに戻って何事も無かったように2度目の日曜の夜を北海道で過ごすのでした…→{46}

 あ、そういえばこれで「ヤッターマン」が録画できなくなったので、兄上に頼んで録画してもらうことに。こういうときはやはり頼れるのは実の兄弟ですよね(今回、ザックは弟から借りてるし)。

*この日の出費*

タクシー代で10,000円
高速代で750円
ローソンで水代で105円
空港リムジンバス代で1,000円
ドニチカきっぷ代で500円
ホテル宿泊費で3,500円
自動販売機で水代110円
洗濯・乾燥・洗剤代合わせて630円
クラーク亭で夕食910円
セイコーマートで翌日の朝食代365円

24日小計、17,870円


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