歌 舞 伎 − 観 劇 記 - |
平成23年
1月:寿式三番叟、実盛物語、浮世柄比翼稲妻
4月:お江戸みやげ、一條大蔵譚、封印切
5月:敵討天下茶屋聚
6月:頼朝の死、梶原平三誉石切、連獅子
6月:琉球ロマネスク/テンペスト
8月:東雲烏恋真似琴、夏 魂まつり
9月:舌出三番叟、新口村、寺子屋、勢獅子
11月:傾城反魂香、吉野山、魚屋宋五郎
12月:銀のかんざし、殿様茶店の恋日和
壽・初春大歌舞伎
平成23年1月 新橋演舞場
演 目 | 役 者 | 観 劇 記 |
寿式三番叟 (ことぶきしきさんばそう) 長唄囃子連中 |
翁 梅 玉 三番叟 三津五郎 千歳 魁 春 附千歳 鷹之資 |
厳粛に掃き清められた舞台に、翁、千歳、附千歳、三番叟が迫り上がってくる。 千歳が滝の水に託して長寿を祝う喜びの舞を見せると、翁は国土安穏を祈願して厳かに舞い、最後に三番叟が鈴を手に五穀豊穣を祈ってめでたく舞い治める正月に相応しい舞踊であった。 |
源平布引滝 実盛物語 (さねもりものがたり) 一幕 |
斉藤実盛 團十郎 九郎助 市 蔵 小よし 右之助 小万 魁 春 葵御前 福 助 瀬尾十郎 段四郎 |
琵琶湖の畔に暮らす九郎助と小よしの夫婦は、源氏再興の念願叶わず命を落とした木曽義賢の妻で懐妊中の葵御前を匿っている。 そこへ平家方の斉藤実盛と瀬尾十郎が、葵御前の産む子の検分にやってくる。 九郎助夫婦は、漁の折に拾ってきた白旗を握った女の片腕を、葵御前の産んだ赤子といい、差し出す。瀬尾をこれを訝しがるが、密かに源氏に心を寄せ、この女の腕に心当たりのある実盛は、瀬尾を巧みに言いくるめ、瀬尾が立去った後、事情を語り始める。 木曽義仲誕生秘話で、何度見ても感動的な舞台である。團十郎、段四郎の絡みは見応えがあり、、九郎助を演じた市蔵の熱演が光った。 |
四世鶴屋南北作 浮世柄比 翼稲妻 (うきよづかひよくのいなづま) 二幕 浅草鳥越山三浪宅の場 吉原仲之町場 「伊達競曲輪鞘當」 長唄連中 |
名古屋山三 三津五郎 葛城太夫、下女お国、茶屋女房お梅 福 助 浮世又平 弥十郎 不破伴左衛門 橋之助 |
佐々木家の家臣名古屋山三は、不義密通の咎で追放され、下女のお国と貧乏長屋住まいであった。 そこへ、不義密通の相手であり今は吉原の花魁となっている葛城がやってきる。山三の父の仇と思われる不破伴左衛門と失われた重宝の刀の行方を探り、その様子を伝えに来たのであった。 山三は桜の咲き誇る吉原仲ノ町に行き、そこで不破伴左衛門と切りあいになる。止めに入るのが茶屋女房お梅である。 福助の変化に富んだ3役が楽しめる舞台であった。 |
4月大歌舞伎
平成23年4月 新橋演舞場
演 目 | 役 者 | 観 劇 記 |
河口松太郎作 大場正昭演出 お江戸みやげ (おえどみやげ) 三場 |
お辻 三津五郎 おゆう 翫 雀 阪東栄紫 錦之助 文字辰 扇 雀 お紺 孝太郎 |
梅の綻ぶ湯島天神。結城紬の行商人で、倹約好きのお辻と、おおらかなおゆうは、江戸土産に境内の宮地芝居を見物する。 そこで、人気役者の阪東栄紫に心奪われたお辻は、役者の恋人お紺が、妾奉公に出されようとしているのを知り、酒の勢いもあり、始めて惚れた役者のため、行商で得た手持ちの金全部を、気前良く投げ出して二人を助けてしまう。 心温まる人情物語で、おゆうとお辻の掛け合いが決まっていた。 |
源平布引滝 一條大蔵譚語 (いちじょうおおくらものがたり) 檜垣 奥殿 二幕 |
一條大蔵長成 菊五郎 吉岡鬼次郎 團十郎 常磐御前 時 蔵 お京 菊之介 |
平家全盛の世、源義朝の妻であった常磐御前を妻に迎えた一條大蔵卿は、曲舞にうつつを抜かし阿呆と噂されている。 源氏の忠臣吉岡鬼太郎と妻のお京は、本心を探ろうと大蔵卿の館に潜り込むが、それこそ阿呆のように楊弓に興じているだけで、耐えかねた鬼太郎が意見すると・・・ 菊五郎(大蔵卿)の阿呆と正気の演じ分けが見事で、見応えのある時代物となっている。 |
恋飛脚大和往来 玩辞楼12曲の内 封印切 (ふういんぎり) 一幕 |
亀屋忠兵衛 藤十郎 丹波屋八右衛門 三津五郎 傾城梅川 扇 雀 槌屋治右衛門 我 當 井筒屋おえん 秀太郎 |
飛脚問屋の忠兵衛は、大坂新町の傾城梅川と深く言い交わす仲で、身請けの手付金を払ったものの、後金ができずにいるところへ、恋敵で飛脚仲間の八右衛門が身請けすると言い出す。 忠兵衛の悪口雑言を繰り返す八右衛門に腹をたてた忠兵衛は、死を覚悟して、懐に入れていた公金の封印を切り、梅川を身請けし、大和国へと落ち延びていく・・・ さすがに上方和事の代表作だけのことはある芝居であった。藤十郎と三津五郎のやりとりは真に迫っていた。 |
5月大歌舞伎
平成23年5月 新橋演舞場
演 目 | 役 者 | 観 劇 記 |
奈川亀輔作 今井豊茂補綴 敵討 天下茶屋聚 (かたきうちてんがちゃやむら) 五幕八場 浮田館 四天王寺 東寺貸座敷 福島天神の森 天下茶屋聚 |
安達元右衛門 東間三郎右衛門 幸四郎 早瀬玄番頭 段四郎 早瀬伊織 梅 玉 早瀬源次郎 錦之助 人形屋幸右衛門 吉右衛門 魁 春 歌 昇 歌 六 |
西国の大名浮田家の中心早瀬玄番頭は、お家横領を企む家老や東間三郎の計略を察知し、家老を切腹に追い込むが、東間に闇討ちされてしまう。 早瀬玄番の子、伊織と源次郎兄弟は、父の敵討ちのため、行方をくらました東間を追って大坂天王寺までやってくる。 そこで、仇の東間の策略で酒を強いられて禁酒の誓いを破った家来の安達元右衛門を勘当する。 流浪の末、東寺近くの貸座敷で暮らすようになった兄弟のもとへ、東間方に寝返った元右衛門が按摩に化けてやって来て、伊織の足を切り逃げてしまう。 その後、伊織兄弟は福島天神の森で貧窮の日々を過ごしているところに、元右衛門と雇い主の東間が来て、歩けない伊織をなぶり殺しにしてしまう。 さらに弟源次郎も襲われ・・ と展開していく。大作である。 江戸時代に大坂の天下茶屋で実際に起こった敵討ちを題材にした敵討ち狂言の傑作である。 今回は悪党ながら愛嬌のある安達元右衛門と、悪の首領である東間三郎右衛門の二役を、幸四郎が演じ分けた。この二役を一人の俳優が演じるのは、天保年間(1532〜1844年)以来とのことだ。 |
6月大歌舞伎
平成23年6月 新橋演舞場
演 目 | 役 者 | 観 劇 記 |
真山青果作 真山美保演出 頼朝の死 (よりとものし) 二幕 |
源頼家 染五郎 小周防 幸太郎 尼御台所政子 時 蔵 畠山重保 愛之助 大江広元 歌 昇 |
源頼朝の三回己法要の日。嫡男の頼家は、落馬が原因と言われている父の死に疑問を抱き、煩悩の日々を送っていた。そして畠山重保が真相を知っているのではないかと問いただすが、その死に深く関わっていた重保は黙して語ろうとしないで、口を割ろうとした小周防を切ってしまう・・ 何度見ても、良くできた芝居である。登場人物の葛藤を巧みに描いた名作である。 |
梶原平三誉石切 (かじわらへいぞうほまれのいしきり) 鶴ヶ岡八幡社頭の場 一幕 |
梶原景時 吉右衛門 大庭景親 段四郎 梢 芝 雀 六郎太夫 歌 六 保野景久 歌 昇 |
鎌倉鶴ヶ岡八幡宮に参拝に来た平家方の武将大庭景親と弟の保野景久のもとへ、青貝師の六郎太夫と娘の梢が重宝の刀を売りにやってくる。 大庭に刀の目利きを頼まれた梶原景時は、これは稀に見る名刀であると鑑定するが、これに納得できない保野の意見で、二人の人間を重ねて切る「二つ胴」で切れ味を試すことになる。 智勇を兼ね備えた武将、梶原景時を演じる吉右衛門が颯爽としていた。 |
河竹黙阿弥作 連獅子 (れんじし) 長唄囃子連中 |
右近 親獅子の精 仁左衛門 左近 仔獅子の精 千之助 浄土宗専念 愛之助 法華僧日門 錦之助 |
清涼殿の麓にある石橋で、狂言師の右近と左近が、石橋の謂れや文殊菩薩の霊獣である獅子が仔獅子を千尋の谷に突き落とす様子を語り踊ってみせる。 そして、狂言師が、親獅子と仔獅子の精となって現れ、獅子の豪放華麗な踊りを舞い始める。 愛之助と錦之助の掛け合いが面白かった。また仁左衛門と、特に孫の千之助の演技が見事で可愛らしかった。 |
演 目 | 役 者 | 観 劇 記 |
池永永一原作 羽原大介脚本 堤 幸彦演出 琉球ロマネスク テンペスト |
仲間 由起恵 山本 耕史 安田 顕 伊阪 達也 吉岡 麻由子 萩野 恵理 他 |
19世紀江戸末期の琉球王国。天才少女真鶴は、王府で働くことに憧れ、男装して名を孫寧温と偽り、科試(国家試験)に合格、琉球のために懸命に働く。 薩摩藩の青年士族と出会い、運命の悪戯、時代の流れに翻弄されながらも、琉球を守ろうとする・・・ 脚本、演出が良く、壮大な物語を上手く見せていた。。男装の仲間由紀恵が凛々しかった。(DVD鑑賞) |
8月花形歌舞伎
平成23年8月 新橋演舞場
演 目 | 役 者 | 観 劇 記 |
G2 作・演出 新作歌舞伎 東雲鳥恋真似琴(あけがらすこいのまねごと) 二幕 |
藤川新左衛門 橋之助 小夜 福 助 関口多膳 扇 雀 左宝月 獅 童 お若 七之助 弥十郎 勘太郎 萬次郎 |
御家人藤川新左衛門は堅物で、今まで郭に足を踏み入れたことも無かったが、初対面の花魁小夜に心奪われ、ひょんなことから身請けすることになる。 小夜には、新左衛門の親友で関口多膳という間夫がいたが、新左衛門に惹かれた小夜は、多膳に愛想尽かしをする。 それを多膳は、怒りに任せて切り捨て、死体を川に流してしまう。 しかし、新左衛門は小夜が死んだことを信ぜず、人形師左宝月が作った小夜そっくりの人形が届けらると、新左衛門と小夜の人形との奇妙な生活が始まる・・・ まさに新作歌舞伎で、舞台の展開も速く、脚本も無駄がなく、楽しめる魅力的な芝居となっていた。 新左衛門の橋之助のとぼけた演技も良かったが、人形師を演じた獅童の存在感も流石であった。 |
九條武子作「四季」より 夏 魂まつり (なつ、たままつり) 常磐津連中 |
若旦那栄太郎 芝 翫 芸者お梅 福 助 芸者お駒 橋之助 国 生 宣 生 |
京の加茂川ベリ。如意ヶ嶽の山腹で焚かれる大文字の送り火を見るために、若旦那が芸者たちを連れてやってくる。そして、幻のように夜空を焦がす炎を眺めながら、故人の精霊たちを思い、過ぎ行く夏を惜しむという舞踊詩。 今の季節ピッタリの演目で、芝翫が子息や孫とともに情緒豊かに舞っていた。 |
秀山祭九月大歌舞伎
平成23年9月 新橋演舞場
演 目 | 役 者 | 観 劇 記 |
再春菘種時 舌出三番叟 (しただしさばそう) 長唄囃子連中 |
三番叟 染五郎 千歳 歌 昇 (種太郎改め) |
荘厳な音楽が奏でられ、舞台の幕が開くと、千歳と三番叟が座についている。鼓の音に浮かれて三番叟が舌を出して舞い、千歳も加わり、子々孫々栄えることを寿ぐ。 秀山祭、そして中村歌昇改め三代目中村又五郎、中村種太郎改め四代目中村歌昇襲名披露の幕開けに相応しい格調高い祝儀舞踊である。 |
恋飛脚大和往来 新口村 (にのくちむら) 一幕 |
忠兵衛 藤十郎 孫右衛門 歌 六 梅川 福 助 忠三郎女房 吉 弥 |
大坂淡路町飛脚問屋の忠兵衛は、遊女梅川を身請けするために商売の金に手を付け、追われる身となる。 梅川とともに生まれ故郷の大和の新口村に辿り着く。追われる身を隠す忠兵衛と、その父孫右衛門の間を梅川が取り持ち、父子の再会が叶ったのも束の間、追っ手が迫ってくる。 何度見ても、良い芝居だ。親子最後の対面を惜しみながら、二人は降りしきる雪の中に消えて行くシーン、死に行く男女の悲恋と親子の情愛を描いた、まさに上方和事の名作である。 |
菅原伝授手習鑑 寺子屋 (てらこや) 一幕 |
松王丸 吉右衛門 千代 魁 春 武部源蔵 又五郎 (歌昇改め) 戸浪 芝 雀 春藤玄蕃 段四郎 |
武部源蔵と妻戸浪は、寺子屋を営みながら、流罪となった主人・管丞相の子、管秀才を匿っている。 それを知った、敵の藤原時平は管秀才の首を差し出すように命じる。窮地に陥った源蔵は、今日、寺入りしたばかりの小太郎を管秀才の身代わりとし、検分役の松王丸と春藤玄蕃の前に首を差し出す・・・・ これも、10回以上見ているが、何度見ても良い名作である。歌昇改め又五郎の熱演が光った。 |
勢獅子 (きおいじし) 常磐津連中 |
鳶頭鶴吉 梅 玉 鳶頭雄吉 歌 昇 (種太郎改め) 鳶頭亀吉 松 禄 |
江戸三大祭りの一つ、日枝神社の山王祭り。町内の御神酒所へ、鳶頭をはじめ、手古舞、鳶の者たちが勢ぞろいし、ほろ酔い気分で、曽我兄弟の仇討ちの物語や江戸前の威勢の良い踊りて盛り上がったところへ、獅子舞がやってくる。 そして、獅子の狂いを披露し、祭り気分もそのままに一同揃って舞納めをする。 今回は舌出し三番叟に始まり、上方和事や寺子屋を挟み、勢獅子で大団円と、こちらまで楽しい一日であった。 |
吉例顔見世大歌舞伎
七世尾上梅幸 十七回忌追善
二世尾上松禄 二十三回忌追善
平成23年11月 新橋演舞場
演 目 | 役 者 | 観 劇 記 |
近松門左衛門作 傾城反魂香 (けいぜいはんごんこう) 土佐将監閉居の場 一幕 |
浮世又平 三津五郎 女房おとく 時 蔵 戸佐将監 彦三郎 将監北の方 秀 調 |
絵師土佐将監の弟子又平は、師の閑居を妻おとくと訪れ、土佐の名字を名乗るのを許して欲しいと、言葉が不自由な又平に代わって、おとくが願い出る。 しかし、他の弟子のような功績のない又平は許可が得られない。絶望した夫婦は死を決意し、今生の名残に、又平は手水鉢に自画像を心魂込めて描くと、その絵は、石を貫き、手水鉢の裏側に抜けるという奇跡が起きる。 それを見た将監は、土佐又平光起と名乗ることを許す。 命を懸けて起こした奇跡と、夫婦愛が見事に描かれた、近松門左衛門の名作である。三津五郎と時蔵の熱演が見応えがあった。 |
道行初音旅 (みちゆきはつねのたび) 吉野山 一幕 竹本連中 清元連中 |
佐藤忠信実は源九郎狐 松 禄 静御前 菊之助 逸見藤太 團 蔵 |
桜が満開の吉野山。兄の源頼朝との不和により都を離れた義経の愛称静御前は、家来の佐藤忠信とともに、義経のもとへ急いでいるが、いつの間にか忠信の姿を見失ってしまう。 しかし、静が義経から預かった初音の鼓を打つと、何処からともなく忠信が現れる。実は、静を守護していた忠信は、鼓の皮となった親狐を慕う子狐であった。 三大義太夫狂言の一つ、「義経千本桜」の名場面だ。狐の化身忠信を演じた、松禄の狐を思わせる仕草に拍手喝采であった。 |
河内黙阿弥作 新皿屋舗雨暈 魚屋宗五郎 (さかなやそうごろう) 二幕 |
魚屋宋五郎 菊五郎 女房おはま 時 蔵 小奴三吉 松 禄 父太兵衛 團 蔵 召使おなぎ 菊之助 磯部主計之助 三津五郎 浦戸十左衛門 左團次 |
魚屋宋五郎の家では、宗五郎の妹が奉公先の旗本磯辺主計之助によって不義の咎で手討ちにされたと知り、皆が悲しみに暮れている所に、妹の明輩おなぎが弔問に訪れ、濡れ衣であったことを知る。 禁酒中の宗五郎は、妹の無残な死に耐えかねて酒を飲んで泥酔し、磯部邸に乗込み大暴れをして妹をなぶり殺しにされた悔しい胸の内を訴える・・・ と、胸をすくような展開でどうなるかと思いきや、見事な大団円となる展開には、何度見ても感心する黙阿弥の名作である。 すっかり、菊五郎の十八番となった芝居であるが、その酩酊振りはますます磨きがかかっているようだ。 |
年忘れ喜劇特別公演
めくるめく直美と新車の七変化
平成23年12月 新橋演舞場
演 目 | 役 者 | 観 劇 記 |
館 直志作 浅香 哲哉演出 銀のかんざし (ぎんのかんざし) |
髪結い・おかつ 藤山 直美 亭主・清之助 坂東 薪車 小島 秀哉 小島 慶四郎 大津 嶺子 |
大正の末、髪結いの女房を持つ清之助は文字通りの左団扇で、終日のらりくらりしている。年上女房のおかつは、気が強い上に、この上ないやきもち焼ときているから、清之助の行く末を安じる大家はやきもきし、清之助を働きに出そうと画策するが・・・ 久しぶりの観劇となった、上方喜劇で、まさに年忘れ爆笑喜劇であった。直美と薪車の熱演に拍手喝采。 |
館 直志作 「駕や捕物帳」より 佐々木 渚脚本 浅香 哲哉演出 殿様茶店の恋日和 (とのさまちゃみせのこいびより) |
領主前田能登守、 盗賊・赤鞘主水 坂東 薪車 茶屋の娘・おはな 奥方・藤江 女盗賊・おりょう 藤山 直美 小島 秀哉 小島 慶四郎 大津 嶺子 いま 寛大 曾我廼家 玉太呂 |
城下のはずれの茶店に、嫉妬深い奥方・藤江から逃れた領主・前田能登守がお忍びで現れ、茶店の娘おはなに一目惚れ。 城下を荒らしまわっていた盗賊の首領赤鞘主水の人相書きに似ていたことから、駕籠かき二人は能登守を強盗と勘違いして役人に通報する。 そこへ、役人に追い詰められ盗賊赤鞘や女盗賊・おりょうまでが現れ、てんやわんやの大騒動となる。 もうめちゃくちゃな演出と、演技で流石に、見ている方も少し辟易した。坂東薪車と藤山直美の七変化は見応えがあった。 |
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