歌 舞 伎 - 観 劇 記 - |
平成29年
1月:将軍江戸を去る、大津絵道成寺、伊賀越道中双六沼津
2月:恋の免許皆伝、狐狸狐狸ばなし
6月:名月八幡祭り、浮世風呂、御所桜堀川夜討/弁慶上使
7月:お江戸みやげ、紺屋と高尾
8月:刺青奇偶、玉兎、団子売り
10月:マハーバーラタ戦記
12月:実盛物語、土蜘
平成29年1月
壽 初春大歌舞伎
歌舞伎座
演 目 | 役 者 | 観 劇 記 |
真山青果作 真山美保演出 大政奉還150年 将軍江戸を去る 一幕三景 |
染五郎 愛之助 慶太郎 歌 昇 又五郎 |
朝廷に大政を奉還した徳川慶喜は江戸出発を明日に控え、上野寛永寺で恭順謹慎していたが、幕臣の主戦論者の意見に心が揺らいでしまい、出発延期を願い出る。 その事を知った高橋伊勢守や山岡鉄太郎らが慶喜を諫めにやって来る。恭順を翻意すれば江戸で戦が起こり、罪もない人々が血を流すことになると必死に説得する。 慶喜の心の葛藤を描いた重厚な台詞劇となっている。 |
河竹黙阿弥作 二世藤間勘祖構成 大津絵道成寺 愛之助五変化 常磐津連中 長唄囃子連中 |
愛之助 佳歌昇 種之助 染五郎 |
近江の三井寺では鐘供養が行われ、外方が唐子を従えて酒宴を始めると、藤姫が鐘を拝ませてほしいと現れる。 藤姫は舞を始めるが、いつの間にか消えてしまう。その後、鷹を追って鷹匠が現れ、犬とじゃれ合う座頭、いなせな船頭が現れて踊る。 再び藤姫が現れるが、落ちた鐘の中に姿を消してしまう。 弁慶が祈ると、鐘の中から大津絵の鬼が現れて・・・ 大津絵の中に登場する五役を、一人の俳優・愛之助が踊り分ける趣向となっている。楽しい舞踊劇であった。 |
伊賀越道中双六 沼津 一幕 |
吉右衛門 雀右衛門 吉之丞 歌 六 |
東海道を旅する呉服屋十兵衛は、沼津のはずれで出会った年老いた雲助に頼みこまれ荷物を持たせるが、雲助は怪我をしてしまい、持参の印籠の中の妙薬で治療する。 雲助を家まで送り届けたが、雲助と娘の話を聞いて、驚くべく事実に気づいた呉服屋は・・ 偶然が重なって起きた悲劇を巧みに組合せ、生き別れた親子の悲しい再会を描いた義太夫狂言の名作です。 |
平成29年2月
二月喜劇名作公演
新橋演舞場
演 目 | 役 者 | 観 劇 記 |
一堺漁人作 「四海波」より 門前光三脚色演出 恋の免許皆伝 |
曽我廼家八十吉 大和 悠河 藤山 扇治郎 中村 梅雀 波乃 久里子 |
泉州岸和田藩の武芸指南役は、一刀流の名手で、その一人娘は父譲りの剣の腕前であった。 その娘は、名家の出で卜伝流の使い手を婿養子に迎えることになったが、その入り婿が、万が一にも嫁に劣るとなると問題とのことで、木太刀で試合をすることになる。 負けてはならぬ、勝ってはならぬの場面になり、両者は・・・ 婿入りの許しを得るために、強い許嫁との勝負を命じられた婿候補。面白い設定と展開で、最後まで楽しませてくれます。 |
北條秀司作 成瀬芳一演出 江戸土産 狐狸狐狸 ばなし |
渋谷 天外 河合 雪之丞 喜多村 緑郎 山村 紅葉 曽我廼家八十吉 |
手拭い屋を営む夫婦。夫に嫌気が差し、焔魔堂の住職と密通する妻。そして夫は、金持ちの娘に結婚を申し込まれ、婿入りして一生を安楽に暮らそうと考えている。 色と欲にまみれた女と男の、狐と狸のびっくり化かし合い。二転三転の騙し合いが続くお笑いサスペンスとなっています。 |
平成29年6月
六月大歌舞伎
歌舞伎座
演 目 | 役 者 | 観 劇 記 |
池田大伍作 名月八万祭 (めいげつはちまんまつり) 3幕4場 |
松 緑 笑 也 亀 蔵 猿 弥 猿之助 |
越後の実直な商人は深川きっての芸者に惚れこんでしまう。 芸者より一緒に暮らしてもいいと言われ、深川大祭に必要な百両の用立てを頼まれる。 故郷の家屋敷を売り払い金を用意するが、芸者は別のところより金を得たため、約束を反故にされる。 純朴な男が翻弄された末に迎える悲劇となっている。 |
木村富子作 浮世風呂 (うきよぶろ) 常磐津連中 |
猿之助 種之助 |
風呂屋で、赤い下がり姿の三助が、湯加減を見たり、客の背中を流したりしていると、そこへ女の姿をしたなめくじが現れ、三助を口説きにかかる。 三助は気味が悪いと、塩をかけて退散させる。 洒落た味と軽快な動きの舞踊劇です。 |
御所桜堀川夜討 (ごしょざくらほりかわようち) 弁慶上使 1幕 |
吉右衛門 又五郎 高麗蔵 雀右衛門 |
懐妊の為静養中の義経の正室のところに、頼朝の命を受け武蔵坊弁慶が現れる。 平家の平時忠の娘である正室の首を討つように命令されていたのだが、その身代わりとして侍女の首をはねるが、この侍女が弁慶の実の娘であった・・・。 弁慶が生涯でたった一度だけ恋をし、大泣きをしたという伝説をもとにした時代物です。 |
平成29年7月
七月名作喜劇公演
新橋演舞場
演 目 | 役 者 | 観 劇 記 |
川口松太郎原作 大場正昭演出 お江戸みやげ (おえどみやげ) 1幕3場 |
波乃 久理子 市村 萬次郎 小林 綾子 仁支川 峰子 |
梅が咲く湯島天神境内にやってきた女行商人の二人は芝居見物したが、一人が人気役者に心を奪われてしまい稼いだ金を恵んでしまう。 心温まる思わぬ顛末で、涙と笑いの心温まる人情噺となっている。 |
一龍齋貞丈口演 平戸敬二脚本 浅香哲哉演出 紺屋と高尾 (こんやとたかお) 2幕 |
喜多村 緑郎 大津 嶺子 曽我廼家文童 浅野 ゆう子 |
大坂から江戸へ出てきた紺屋の職人は、花魁道中で見た吉原最高位の遊女・高尾太夫に一目惚れ。一年間懸命に働いて貯めた金をもって、いざ吉原へ 純朴な職人と遊女が紡ぐ大人の恋物語となっている。 |
平成29年8月
八月納涼歌舞伎
歌舞伎座
演 目 | 役 者 | 観 劇 記 |
長谷川伸作 坂東玉三郎演出 石川耕士演出 刺青奇偶 (いれずみちょうはん) 2幕5場 |
中 車 七之助 亀 鶴 猿 弥 染五郎 |
度を過ぎた博打好きで江戸を追われ、下総行徳の船場で、身投げをした酌婦を助ける。やがて二人は品川の漁師町で所帯を持つことになるが、博打好きは相変わらずで、貧しい暮らしが続いている・・・。 博打好きの男が女房のために最後に出た大勝負。薄幸な夫婦の情愛を描いた新歌舞伎です。 |
玉兎 (たまうさぎ) 清元連中 |
勘太郎 |
月の兎が餅をつく幻想を描いた舞踊。中秋の月夜に浮かれた兎を可愛らしく踊る清元の人気舞踊です。 |
団子売 (だんごうり) 竹本連中 |
猿之助 勘九郎 |
仲の良い団子売りの夫婦が、餅をつき、仄々とした様子で団子をふるまい、次の街へと移動していく。 江戸庶民の商いを軽妙に描いた舞踊です。 |
平成29年10月
芸術祭十月大歌舞伎
歌舞伎座
演 目 | 役 者 | 観 劇 記 |
青木豪脚本 宮城聰演出 新作歌舞伎 極付印度伝 マハーバーラタ戦記 序幕 神々の場所より 大詰 戦場まで |
菊之助 時 蔵 鴈治郎 七之助 左團次 菊五郎 |
神々によって人間界に生を受けた迦楼奈(かるな)と阿龍樹雷(あるじゅら)。同じ母を持つ兄弟でありながら、それぞれが使命を背負い、二人は雌雄を決する戦いへと向かっていく。 世界三大叙事詩の初の歌舞伎化。古代インドの神話的叙事詩「マハーバーラタ」、王位継承を巡り争う人間の葛藤を描いた壮大な新作歌舞伎です。 |
平成29年12月
十二月大歌舞伎
歌舞伎座
演 目 | 役 者 | 観 劇 記 |
源平布引滝 実盛物語 一幕 |
愛之助 門之助 吉弥 笑三郎 松之助 亀 蔵 |
平家全盛の時代、木曽義賢の子の義仲の誕生秘話。 義賢の御台所葵御前の懐妊が発覚し、平家方の斎藤別当の実盛と瀬尾十郎が詮議の為にやってくる。 しかし、密かに源氏方に心を寄せる実盛は、瀬尾を巧みに言いくるめ、葵御前の危難を救う。 智勇を兼ね備えた武将の苦渋・・・ を描いた時代物の名作です。 |
河竹黙阿弥作 新古演劇 十種の内 実盛物語 長唄囃子連中 |
松 緑 團 蔵 彦三郎 梅 枝 萬太郎 |
源頼光の館、病に伏せる頼光のもとに、僧が現れる。不審な様子に、頼光が刀で斬りかかると・・・ 僧は土蜘蛛の精で、千筋の糸を繰り出す華麗な立ち廻りとなる。見応えのある舞台となっています。 |
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