歌 舞 伎
- 観 劇 記 -

平成30年


1月
:「家族はつらいよ」三越劇場

4月:「西郷と勝」、「裏表先代萩」

5月:「雷神不動北山櫻」、「女伊達」

6月:「妹背山婦女庭訓、三笠山御殿」、「文屋」、「野晒悟助」

7月:「人生双六」、「峠の茶屋は大騒ぎ!!」

9月:「金閣寺」、「鬼揃紅葉狩」、「河内山」

11月:「お江戸みやげ」、「素襖落」、「十六夜清心」

12月:「幸助餅」、「於染久松色読取」



平成30年1月
初;春新派公演

三越劇場


演 目 役 者 観 劇 記


新派130年

山田洋次脚本・演出

家族はつらいよ





 水谷八重子

 田口 守

 喜多村緑郎

 石原 舞子

 瀬戸 摩純

 波野 久里子



 


  東急田園都市線沿線沿いの三世代が住む家庭。結婚45周年目を迎えた妻の誕生日に欲しいものは離婚届。まさかの熟年離婚騒動に、一家はパニックに・・・
  劇団新派130年のスターと飾る喜劇。最後に幹部劇団員による新派130年の挨拶・口上があった。



平成30年4月
四月大歌舞伎

歌舞伎座

演 目 役 者 観 劇 記


明治150年記念
真山青果作
「江戸城総攻め」
大場正昭会陰出演出

西郷と勝





 松 緑

 彦三郎

 亀 蔵

 松 江

 錦之助



 


  慶応4年江戸城総攻めの前日、勝は江戸薩摩屋敷を訪れ、西郷隆盛に江戸城無血開城を提案・・・
  立場は違えども、江戸の人々の生活を守るために奔走した二人。




梅照葉錦伊達織

裏表先代萩


 大場道益宅
 足利家御殿
 同 床下
 小助対決
 仁木刃傷




 菊五郎

 時 蔵

 錦之助

 孝太郎

 松 緑

 團 蔵

 東 蔵


 


 下男小助は、足利家の家督を継ぐ鶴千代を殺すため毒薬を調合し、褒美を得た町医者を殺害し大金を奪う。
  一方足利家の御殿では乳母が鶴千代の身を守っていた。そこへ管領の妻が現れ毒入りの菓子を勧めるが、乳母の子供が代わりにその菓子を食べてしまう。
  伊達家のお家騒動を二つの視点で描いた時代物大作。



平成30年5月
團菊祭五月大歌舞伎

歌舞伎座

演 目 役 者 観 劇 記


成田山開基1080年
二世市川團十郎生誕330年
安田蛙文、
中田万助作

通し狂言
雷神不動北山櫻





 海老蔵

 菊之助

 松 也

 錦之助

 雀右衛門


 


  平安時代、陰陽師阿部清行は早雲王子が帝位につくと世が乱れると予言。帝は高僧鳴神上人に命じ、妃が身ごもった女子を「変成男子」の行法によって男子に変え世継ぎとする。
  帝位継承の望みを絶たれた早雲王子は鳴神上人を都から追放すると、都は日照りとなり、民衆は旱魃に苦しむことになった・・・
  歌舞伎18番の「毛抜」、「鳴神」、「不動」の三演目が含まれる成田屋所縁の演目で、豪快な荒事、早替わりなどが見応えある舞台となっている。




女伊達

 長唄囃子連中




 時 蔵

 錦之助

 種之助

 橋之助


 


 桜が満開の新吉原仲之町、美しい女伊達が颯爽と現れ、掴みかかる大坂の男伊達を打ち負かす。
  気風の良い江戸の女伊達tの凛々しく可憐な舞踊で、江戸の粋を鮮やかに描き出している。




平成30年6月

六月大歌舞伎
歌舞伎座


演 目 役 者 観 劇 記


妹背山婦女庭訓ま
(いもせやまおんなてきん)

 三笠山御殿

 一幕




 時 蔵

 松 緑

 松 也

 新 悟

 芝 翫

 楽 善


 


  三笠山にある曽我入鹿の御殿へ、藤原鎌足の使者として漁師が書状を持って訪れる。
  入鹿の臣下になるなると記した書状を入鹿は信用せず、使いの漁師を人質にしてしまう。
  重厚な時代物「妹背山婦女庭訓」より、変化に富んだ展開が見どころの三笠山御殿の場となっている。




文屋
(ぶんや)

  清元道中




 菊之助


 


 色好みの公卿は、小町を求めて御殿に忍び込むが、官女たちに阻まれ、恋の問答を仕掛けられてしまう。
 六歌仙容彩の中の一景で、江戸の風俗を織り込んだ、色事師の公卿が魅せる軽快な人気舞踊だ。




河竹黙阿弥作

酔菩提悟道野晒
野晒悟助
(のざらしごすけ)

  二幕四場




 菊五郎

 雀右衛門

 錦之助

 菊之助

 松 江

 左團次


 


 大坂の住吉神社、剣術指南の子分たちは、土器(かわらけ)売りの土器を粉々にしてしまう。そこに侠客野晒悟助が現れ仇を取ると約束し、一両の金を与える。その颯爽として悟助の姿に、土器売りの娘が一目惚れしてしまう。
  軽快な立ち廻りと、颯爽とした色男が描く世話物の名作。



平成30年7月

松竹新喜劇劇団創立70周年記念公演
新橋演舞場

演 目 役 者 観 劇 記


茂林寺文福
舘直志 合作

人生双六

  三場




藤山 扇次郎
 
曾我廼家八十吉


 


  大阪のとある高架下。職を失い雪の中を彷徨い、ホームレスに絡まれているところを、同じく失業中の男に助けられる。
  二人は意気投合し、互いの成功を祈り、5年後にこの場所での再会を約束し合う。
     そして約束の日、二人の人生双六はどうなったか。人の心の温かさの詰まった人情劇となっている。




70周年御礼口上

  


渋谷 天外

高田 次郎

小島慶四郎

劇団員一同


 


   劇団創立70周年、ここまでの劇団の歩みをフィルムで紹介した後、劇団員勢揃いで浴衣姿での御礼口上であった。




茂林寺文福作
「七両二分」より
平戸啓二脚色

峠の茶屋は大騒ぎ!!


  二場




 渋谷 天外

 久本 雅美


 


 経師屋の若旦那は、常磐津の師匠に入れあげ、店の大切な掛物を質入れしてしまう。
  今日中に請け出さなければ掛け軸は質ながれ、そうなれば勘当されて死ぬしかないと思い詰める若旦那に、大工の長兵衛は、何とか金を工面すると約束してしまう。しかし、その当てもなく・・・
  芝居好きの妹とある計画を企む。とそのあとは、どたばたな爆笑喜劇です。
  



平成30年9月

秀山祭九月大歌舞伎
歌舞伎座

演 目 役 者 観 劇 記


祇園祭礼信仰記
金閣寺
(きんかくじ)

  一幕




 梅 玉

 児太郎

 幸四郎

 亀 蔵

 橋之助

 松 緑

 福 助


 


  天下を狙う松永大膳は、将軍足利義輝の母を金閣寺に幽閉。共に幽閉している絵師の妻である雪姫に思いを寄せた大膳は自分に従うか、金閣の天井に龍を描くがを迫るが拒否。桜に縛り付けられ処刑されることになる。
  雪姫は、足先で桜の花びらをかき集め、爪先で鼠を描くと・・・
  豪華絢爛な義太夫狂言の傑作。



萩原雪夫作
鬼揃紅葉狩
(おにぞろいもみじがり)
  


 幸四郎

 幸四郎

 錦之助

 高麗蔵

 
 


  平維茂が従者と共に信濃国戸隠山を通りかかると、侍女を従えた更科の前から酒宴に招かれる。
  盃を重ねるうちにまどろんでしまうと、更科の前と侍女は豹変して、戸隠山の鬼女の本性を現してくる。
  美しい姫と侍女が揃って鬼女となる変化に富んだ舞踊劇。




天衣紛上野初花

河内山
(こうちやま)

 上州屋質見世
 松江邸広間
 同 書院
 同 玄関先

  二幕




 吉右衛門

 幸四郎

 歌 昇

 歌 六

 魁 春





 松江出雲守は、腰元奉公する上州屋の娘を妾にしようと屋敷の一間に押し込めている。
 この窮状を聞きつけた河内山は、金目当てに奪還を引き受け、上野寛永寺の使僧と身分を偽り松江邸に単身乗り込む。
  大胆不敵で憎めない河内山の悪ぶりが痛快な、河竹黙阿弥の人気作。
  



平成30年11月

吉例顔見世大歌舞伎
歌舞伎座

演 目 役 者 観 劇 記


川口松太郎作
お江戸みやげ
(おえどみやげ)

  三場




 時 蔵

 又五郎

 梅 枝

 東 蔵


 


  梅のほころぶ湯島天神に、結城紬の女行商人二人がやってきて、誘われるまま江戸みやげにと境内の宮地芝居に行く。
  そこで人気役者に心を奪われてしまう。
  性格の対照的な二人のやり取りが楽しい心温まる人情物語となっている。



歌舞伎18番の内
素襖落
(すおうおとし)

  竹本連中
  長唄囃子連中
  


 
 松 緑

 亀 蔵

 巳之助

 圓 蔵
 


  太郎冠者は主人の使いでその伯父の元を訪れる。そこで美しい姫御寮に酒を振舞われ、餞別に素襖まで与えられて帰るが、すっかり酔っぱらった太郎冠者は、頂いた素襖を隠しながら、酩酊し酔態を見せながらも舞を踊る。




河竹黙阿弥作
花街模様薊色縫
十六夜清心(いざよいせいしん)

 浄瑠璃
 「梅柳中宵月」

  一幕三場




 菊五郎

 時 蔵

 又五郎

 吉右衛門




 鎌倉極楽寺の僧は、遊女の十六夜と深い中であることが発覚し、女犯の罪で寺を追われる。そして十六夜が自分の子を宿していることを知り、心中を決意し川に身を投げる。
 二人とも死ぬことが出来ずに・・・




平成30年12月

十二月大歌舞伎
歌舞伎座

演 目 役 者 観 劇 記


一堺漁人作
幸助餅
(こうすけもち)

  二幕三場




 松 也

 中 車

 萬太郎

 亀 蔵

 萬 次郎


 


  心に沁みる上方人情喜劇。餅米問屋の幸助は、贔屓の力士に入れ揚げしたため財産を失い今は侘しい長屋住まい、妹を郭へ身売りさせ得た金で店を再興させようとしますが、、、。
  松竹新劇でお馴染みの傑作を、歌舞伎の世話物として初上演です




鶴屋南北作
於染久松色読取
(おそめひさまつうきなのよみとり)

   三幕七場

  


 
 壱太郎

 中 車

 彦三郎

 亀 蔵

 松 緑


 


  質店油屋の娘お染は、丁稚の久松と言い交した深い仲であったが、傾き始めた店を立て直すため母親により別の縁談話を進められていた・・・。
  壱太郎、お染めの七変化が見応えあります





平成13年平成14年平成15年平成16年平成17年平成18年

平成19年平成20年平成21年平成22年 | 平成23年 | 平成24年

平成25年
 | 平成26年 平成27年 |平成28年平成29年 |平成30年 





TOP 北海道 東 北 関 東 中 部 近 畿 中国四国 九州他

Hitosh